後期高齢者医療費の自己負担額の引き上げの問題が、ようやく決着しました。自己負担を2割に引き上げる対象者が年収200万円以上(単身者)に決まりました。政府は年収170万円以上としたい意向だったに対し、公明党は240万円以上を主張し、交渉が難航していたようです。
線引きの年収を下げるほど2割に引き上げられる後期高齢者が増える一方、現役世代の負担は軽減されます。また、日本社会の人口構成から、医療費が当分増え続けることは当然で、改革を先送りにすればするほど、また当面の痛みを和らげようとすればするほど、将来の痛みは大きくなるでしょう。公明党のポピュリズムが目に余ります。
日頃は現政権の方針には反対であることの多い私ですが、この施策に関しては現政権を応援していました。
先送りの理由は薄弱
新型コロナウイルスの騒ぎを理由に検討の先送りを主張する意見もありましたが、施行が2022年であれば理由にはなりません。
高齢者が多少受診を控えるようになったとしても、悪いことだとは思えません。現に新型コロナウイルスの感染拡大でかなりの受診抑制がありましたが、大きな不都合もなかったようです。
痛みを先送りし、団塊の世代の大部分の逃げ切りを許してしまえば、将来世代へのツケは甚大です。
大阪都構想の挫折が影響か
従来、公明党の票は固いことに定評がありました。しかし、大阪都構想の住民投票では、公明党が賛成に回ったにもかかわらず、公明党支持者の半分程度が反対票を投じたようです。
このショックから、公明党本部が人気取りに走っているのではないかと想像しています。
固定資産税の増額回避策も愚策
公明党は当初、令和3年度の評価替えに際し、評価額を1年据え置くべきだなどと主張していました。さすがにそれは愚策であることに気づき、評価額が上昇する土地だけ税額を据え置く形で決着したようです。
「固定資産評価替えの1年延期など冗談でしょ、公明党さん?」 参照
この状況で、令和2年1月1日、またはその後の7月1日までの時価が3年前よりも上昇している土地など、わずかな、うらやましいくらい繁栄している地域でしょう。しかも、以前からの負担調整措置があるので、急激な負担増など起こりません。報道では触れていませんが、過去の評価額上昇のため負担調整が行われている土地の税額も据え置かれることになれば、税負担の均衡化が先送りになってしまいます。
今回も新たな負担調整が導入され、制度がさらに複雑になる弊害の方が大きそうです。
制度の詳細は今後決まっていくと思いますが、既に1割負担となっている高齢者でも所得のある人はなるべく短期間のうちに新たな負担割合に移行させ、激変緩和措置は最小限にすべきでしょう。それが世代間の不公平を最小限にすることになります。また、施行は2022年のなるべく早いうちにすべきです。
有権者には、当面の痛みの先送りに惑わされず、将来の世代の幸福を考えた判断をしていただきたいと願っています。
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