ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 戸籍 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:戸籍

 5月17日、法制審議会は戸籍の氏名に新たに読み仮名を付ける件について、中間試案をまとめ、公表しました。いわゆる「キラキラネーム」をどこまで柔軟に認めるかという点に注目が集まっています。
 私はその点についても関心はありますが、読み仮名を付けること自体の是非について、気になっています。氏名に読み仮名を付けるということは、姓にも読み仮名が付され、それが固定されるということでしょう。 

柔軟だった「姓」の読み方
 同じ漢字でも、何通りかの読み方をする姓がたくさんあります。
 私の知り合いでも「渡部」と書いて「わたべ」「わたなべ」さんの両方がいます。同様に、「清野さん」「きよの」「せいの」、「清田さん」「きよた」「せいた」「せいだ」、「坂上さん」「さかうえ」「さかがみ」など、それぞれ同じ漢字で別の読み方をする友人、知人がいます。
 そのうちの一人から聞いた話は、おもしろいものでした。

 私の知人の清野(せいの)さんの親や兄は、清野(きよの)なのだそうです。彼が小学校に入学したとき、清野(きよの)という別の児童と同じクラスになり、その児童の家があまり評判の良くない家だったため、彼の父親が彼には清野(せいの)を名乗らせることにし、それ以来彼は「清野(せいの)」さんになり、彼の妻子も清野(せいの)さんです。 

今後はできなくなる?
 こんなことは、戸籍に読み仮名が記載されていないからできたことでしょう。今後は、こんな柔軟で自由な対応ができなくなると思います。
 そうすると、制度改正後、戸籍に読み仮名を初めて付ける時が最後のチャンスです。姓の漢字はそのままにせざるをえませんが、読み方は、その時ならば柔軟に決められるかもしれません。私もカッコイイ読み方を考えようかな・・・。

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市町村数の推移

 これは、市町村数の推移で、総務省のホームページから抜粋したものです。

     

市

町村

計

        備  考

 

明治   21年

 -

71,314

71,314

 

明治の大合併

明治   22年

39

15,820

15,859

M22.4 市制・町村制施行

昭22年 8月

210

10,295

10,505

S22.5 地方自治法施行

 

  28年10月

286

9,582

9,868

S28.10 町村合併促進法施行

昭和の大合併

   36年 6月

556

2,916

3,472

S40.3 市町村合併特例法施行

平11年 4月

671

2,558

3,229

H11.8 「市町村の合併の推進についての指針」

平成の大合併

平28年 4月

790

928

1,718

 


 地域によって状況に違いがありますが、平成15年前後に全国的に市町村合併が急激に進んだことを覚えておられると思います。

 市町村は、社会から要請される役割に応じて、規模を拡大してきました。


明治、昭和、平成の大合併 

明治21年の時点では、自然発生的な100戸以下の集落が7割、平均人口550人であったと言われています。

それが、明治19年の小学校令、明治22年の市制・町村制施行などにより、小学校を設置して教育し、戸籍などの事務を行うため、300〜500戸に再編されました。これが、明治の大合併です。

第2次世界大戦後、昭和22年に6・3制の義務教育開始に対応して新制中学校を作るため、新制中学校を合理的に運営できる人口8000人を適正規模として、再編されました。これが、昭和の大合併です。

 

 平成15年前後のいわゆる平成の大合併の理由は、次のように説明されています。

① 平成3年にバブルがはじけて、国も地方も財政難に陥り、行財政の効率化を余儀なくされた。

② 交通網の発達などで、日常生活圏域(通勤、通学、通院、買い物等)が拡大した。地域づくりを考えるには、日常生活圏(中心都市+周辺農山村)の単位で考える必要があり、行政の単位も拡大することが望ましい。(公共施設の配置など)

③ 住民のニーズが高度化、多様化し、この高度なニーズに対応するため、専門職を採用する必要があり、そのためには一定の規模が必要である。

 

 このように、市町村は社会から要請される役割の増大に応じて、規模を拡大してきました。必ずしも純粋に市町村の自発的な意思で合併したケースばかりでなく、国による誘導策、財政面の締め付けが大きく影響したことは、間違いありません。

 中でも、地方交付税の果たした役割が大きいでしょう。地方交付税については、別稿で述べさせていただきます。

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戸籍の構成単位 「世帯」との違い

 現在の戸籍は、夫婦と未婚の子を基本単位に作成されます。同居しているかどうか、独立した生計を営んでいるかどうかなどは関係ありません。

住民票の基本単位である「世帯」は、住所と生計を一にするグループなので、戸籍の単位とは異なります。

子供が成人して独立生計で一人暮らししていても、結婚するまでは親の戸籍に入っているのが普通です。

婚姻届を提出すると親の戸籍から抜けて(除籍)、どちらかの姓で夫婦の戸籍が作成されます。子が生まれ、出生届が提出されると、親の戸籍に付け加えられます。たとえ両親が死亡しても、子は、特に手続しなければ、結婚するまではその戸籍に留まります。

ただし、子は成人すれば、分籍の手続をし、独立することもできます。

 

本籍地

 戸籍を置く場所を本籍地といいます。本籍をどこにするかは本人の勝手ですが、通常は親の戸籍と同じ場所、故郷、現住所等に置く人が多いようです。

戸籍を置く市町村を移すことも簡単にできます。皇居の所在地や竹島、尖閣諸島を本籍地にすることも可能で、そうしている人も大勢います。愛国心は示せるでしょうが、戸籍謄本等を取り寄せるのに時間がかかりそうなところは避けるのが利口かもしれません。

戸籍は、地名、地番で表示するのが一般的ですが、住居表示にすることも可能です。

人に本籍を聞いたり書かせたりすることがタブーになっている場合があり、注意が必要です。

 

戸籍筆頭者

 戸籍の一番最初に記載される人を「戸籍筆頭者」といいます。戸籍を特定するための見出しの役割があります。旧民法では戸主といって一定の権限などがありましたが、現在の筆頭者はインデックスの意味しかありません。だから筆頭者が死亡しても、新たに筆頭者を決める必要はなく、そのままになっています。

 

除籍、転籍

 構成員がいなくなったり、他の市町村に本籍を移した場合は、その戸籍はそのまま元の市町村に「除籍」として保存されます。移転の場合、転籍先の市町村で作られる新戸籍には、生年月日や両親の名前等は引き継がれますが、他の詳細は引き継がれません。

 例えば、離婚した場合、夫婦の戸籍から筆頭者でなかった側(主に妻)が抜ける(除籍される)ことになり、子供がいた場合はその子供は筆頭者と一緒にその戸籍に留まるか、もう一方と一緒に抜けることになります。元の戸籍には、離婚して配偶者等が除籍になったことが記載されます。しかし、その後、転籍すれば、新戸籍には、転籍後の動きしか記載されません。つまり、離婚という事実が戸籍から消えてしまうのです。

筆頭者でなかった側は、親の戸籍に戻るか単独の戸籍を作成するかいずれか選ぶことになります。いずれにしても、その時の戸籍には離婚の事実が記載されますが、その後に転籍すれば、新戸籍には転籍後の動きしか記載されません。したがって、今の戸籍だけ見ても子供の全員を把握できず、相続関係を証明するには、その除籍も必要になります。

 

改製原戸籍

 戸籍はこれまで数十年に1回くらい戸籍法改正などにより作り直され(改製)ています。その場合も、新戸籍には生年月日や両親の名前等は引き継がれますが、それまでの移動は引き継がれません。以前のことを証明するには、改製前の「改製原戸籍(かいせいげんこせき)」(業界人は「ハラコセキ」と通称)が必要になります。

 

相続関係の証明

 除籍も改製原戸籍も、保存期間は、除籍や改製後150年です。ただし、平成22年までは80年だったので、それまでに80年経過してしまったものは廃棄されている可能性が高いようです。

 相続関係を証明するためには、生まれてから現在までの連続した戸籍、除籍、改製原戸籍が必要になります。だから本籍をやたらに移すのは、後々面倒になるし、費用もかかります。ちなみに、平成29年時点で、私の住んでいる市の1通あたりの手数料は、

  戸籍 450円、除籍・改製原戸籍 750円    かなり高額です。

だから、一般的には、結婚して親の戸籍から離れるときに、長期的な生活の本拠地に本籍を置くのが一番合理的でしょう。

 

戸籍の附表

 戸籍には「附票」というのが付いていて、その人の住所が記録されています。

住民票を移転するとその市町村から本籍地の市町村にそのことが通知され、附票に記録されます。附票には、現住所だけではなく、その戸籍が記録している期間の住所が全て記録されています。私は、現住所と別の出身地の市に本籍を置いていますが、私の附票を見ると、私が故郷を出てから転々と引っ越したことが分かります。

普通は昔の住所を証明しなければならないとき等に使いますが、住民票の代わりにも使えます。

戸籍謄本を請求しても、附票は付いてきません。ちゃんと、「戸籍(除籍、改製原戸籍)の附票の謄本(抄本)」として請求しなければなりません。

 

関連ページ

  地番、番地、住居表示、号の使い分け

  「謄本」と「抄本」

  「世帯」「世帯主」とは 

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