私は、50歳台の県職員時代に人事委員会事務局で働いた時期があり、また県を定年退職後にある団体の公平委員会の仕事にも携わったので、公平審査の問題には関心があります。2月中旬、福岡県宮若市の公平委員会で市長のパワハラを認定した報道がありましたが、私はうっかり見逃していました。このブログを読んでくださっている方からそれを教えていただきました。
宮若市の事件
宮若市の公平委員会が、市長の市職員に対するパワハラ行為を認定し、市長に対して職場環境の改善に努めるよう勧告したとのことです。昨年11月、複数の職員が公平委に対し、他の職員がいる前で「辞めろ」と言われたり、育児休業取得に難色を示されたりしたなど、9件のハラスメント行為を訴えていました。公平委は職員や市長に事情を聞き、事実関係を確認したうえで、市長に対し、二度とハラスメント行為を行わず、職員が安心して公務に従事できる職場環境づくりに努めるよう地方公務員法に基づき勧告したと報じられています。
市の公平委員会が、選任権者である市長に対し毅然としてこのような勧告を出すことは、まさに第三者機関としての面目躍如といったところです。
公平委員会によるパワハラの認定
以前、このブログを読んでくださった別の読者から、公平委員会はパワハラの認定をしてくれないのかといったご質問を受けたことがあります。コメント欄では回答したのですが、コメント欄では見てくださる人は少ないので、ここで改めて説明します。
公平委員会ができることは限られています。不利益処分に対する不服申立ては、自分が懲戒処分等を受けてそれに対して不服があれば申立てできますが、他の職員に対する処分を請求することはできません。措置要求でも、例えば、ある役職者のパワハラを認定してくれといっても、ダメでしょう。措置要求は、自分の勤務条件に関する要求であることが必要です。
したがって、相手方が今後自分や他の職員に暴行や暴言を行わないような措置を求める措置要求なら受理されるはずです。そんな要求なら、受理して審査することは公平委員会の義務です。その審査の中で、措置の前提としてパワハラがあったかどうかの認定もされるはずです。今回の宮若市のケースは、まさにそれでしょう。
また、パワハラが今も続いているなら、「苦情相談」もできるはずです。その対応の中で、パワハラがあったかどうかの調査が行われ、何らかの対応があるでしょう。
私が所属していた公平委員会では、委員会は通常は月1回しか開催しないので、苦情相談を受けた場合、まず事務局職員が話を聴き取ります。そのうえで、公平委員会に諮って、誰か一人の委員を担当にして事務局と調査を進める等の対応を取っていました。
任命権者側にいじめられている職員にとって、公平委員会は最後の一つ手前(最後は裁判所か)の砦です。丁寧な対応が求められ、やりがいのある仕事でした。
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