福島原発の「処理水」の海洋放出について、中国などは激しい反発を続けています。これまで中国が日本に対して反発してきた尖閣国有化の問題などは、私は完全に日本側の立場に立つことができたのですが、今回の「処理水」の問題は、判断できずにいます。判断するために必要な情報が十分に得られていないからです。
「処理水」に含まれる放射性物質は、中国の原発などから排出されている廃水と比較して多いのか少ないのか、それらが海洋中に蓄積される恐れはないのかという点です。政府や東電は、トリチウムの濃度が極めて低いことだけを強調しており、その他の物質のことにはほとんど触れていません。この状態では、中国政府や中国の人々の反応について、荒唐無稽と断ずることはできません。
日刊ゲンダイのネット記事では
私が求めてる情報のヒントが、8月31日の日刊ゲンダイ、デジタル版にありました。「高市早苗安保相はいつの間に変節?中国への強硬姿勢も処理水の海洋放出「猛反対発言」の過去」と題する記事です。
記事によると、高市氏は夫とともに。菅首相(当時)が処理水の海洋放出を決めたことを「不誠実」として猛批判していたようです。夫の山本拓氏(当時、自民党の衆議院議員)は、日刊ゲンダイの取材に対し、「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です。」と言っているとのこと・・・。
高市氏や山本氏は、我々一般人より詳しい情報を知りうる立場です。彼らの言っていることは、虚偽ではないと思います。そうだとすれば、中国政府などの主張にも一理あるかもしれません。
政府や東電には、処理水の中に、除去できなかった核物質がどの程度残存しているのか、それは中国などで正常運転されている原発からの放流水と比較して多いのか少ないのか、それを数十年も続けても蓄積される心配はないのか、本当に安全なのか、事実を詳細に説明していただかなければなりません。
政府がトリチウムの濃度が低いことばかり宣伝しているため、多くの国民が中国政府の反応は非科学的だと思いこまされてしまいました。大手マスコミも政府の片棒を担いでいるような、トリチウムにだけ焦点を当てた報道ぶりです。
客観的な事実に即した報道を渇望しています。