沖縄県の辺野古沖で研修旅行中だった同志社国際高校(京都府)の生徒を乗せた船が転覆し、生徒ら2人が死亡した事故に関する同校の対応などについて、5月22日、文部科学省が調査結果を公表しました。米軍普天間飛行場の辺野古への移設工事に関する同校の学習が、学校の政治的活動を禁じる教育基本法14条に反し、安全管理体制も「著しく不適切」と指摘し、是正を求めています。

 安全管理体制が著しく不適切であったことには全く異論はありませんが、教育基本法14条違反とすることには疑問があります。

教育基本法

(政治教育)

第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。

2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない

 

 「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」には該当しないでしょうから、「その他政治的活動」に該当するということでしょう。文科省は「(辺野古移設工事の学習で)様々な見解があることを生徒に十分に提示したことが確認できず、特定の見方・考え方に偏った扱いだった」などとしていると報じられています。

 政府が現に工事を強行しているわけですから、「様々な見解がある」ことは説明などしなくても一目瞭然です。また、旅行を終えて高校に帰った後に様々な見解を紹介する予定だったのが、事故で遅れているのかもしれません。

 今回のケースを「政治的活動」と言ってしまえば、例えば広島の原爆ドーム等へ行って被団協の人らの話を聞くのも該当してしまうかもしれません。原爆の悲惨さを後世に伝えるのは「政治的活動」ではないでしょうが、「核兵器廃絶」を語ることは一つの政治的立場です。現にトッド氏や西部邁氏らの主張に賛同している私は、「核兵器廃絶」を唱えることに否定的です。

 これでは、平和教育を萎縮させそうです。文科省は、政権に忖度して(政権からの圧力で?)、伝家の宝刀を安易に抜かない方がいいと思います。
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