ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 教育委員会 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:教育委員会

 8月27日、秋田県由利本荘市で、市内の総合病院で職員の新型コロナへの感染が判明したことを受け、市教育委員会の指示により同病院で働く職員の子どもら約250人が小中学校から早退させていたことが判明しました。市教委は、市内の複数の小中学校に対してその病院で働く保護者に児童らの早退を要請するよう指示し、承諾した保護者の児童や生徒ら約250人を早退させたとのことです。
 医療従事者への差別を引き起こしかねない行為で、まだこんなことをする役所があるのかと驚きました。 

判断の甘さか?
 市教委が各学校にその病院の職員の子供たちの早退を要請するよう指示したとき、対象となる児童生徒が250人以上もいるとは考えていなかったのかもしれません。もし、そんなにいると知っていれば、初めから全員の早退を指示していたかもしれません。
 濃厚接触者が判明していれば、その職員の同居の子供は早退を要請してもやむを得なかったと思いますが、一律の要請は明らかに乱暴でした。各保護者に電話で早退を要請した学校教職員は、さぞ気が進まなかっただろうと想像しています。 

医療従事者への感謝の気持ちがあれば
 想像するに、この総合病院は同市の医療を中心的に担っている病院ではないかと思います。
 今回の市教委の行為は、医療を支えてくれている医療従事者に対して、恩を仇で返すような行為です。この病院の医療従事者ばかりでなく、全国の医療従事者の心を傷つけてしまったでしょう。
 感謝の気持ちが感じられず、軽はずみで済ませるには、あまりに重い失策でした。

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 一昨日あたりからニュースに流れ始め、昨日(316日)名古屋市教育委員会がメールでのやり取りの内容を公開したことから、今朝の新聞に詳報が載りました。

 

事件の概要

 名古屋市立中学校が前川喜平・前事務次官を講師に招いて授業、講演会を行いました。それについて、文部科学省が名古屋市教育委員会に対し、前川氏を招いた意図などを執拗に問いただしたうえ、授業内容や録音データの提出を市教委に求めていました。その要請メールの中で、前川氏が組織的天下り問題で処分を受け次官を辞任した経緯や、出会い系バーに出入りしていたことにまで触れています。不適当なことをしでかした下部機関を問い詰めて責めているような内容です。

 名古屋市教育委員会は、メールでの質問に回答し、執拗な追加質問についても回答しています。その回答ぶりは、淡々とした落ち着いたものですが、不当な要求は拒否しています。

 

名古屋市教委の対応に拍手!

 私は、市教委の対応に拍手を送ります。地方自治や教育の自由を居丈高に主張して拒否することはせず、差し支えないことは回答しながら、不当な介入については毅然としてはねつけています。

 地方自治に携わる一員として、うれしくなりました。

 今回のことは、国の省庁にとって、いい教訓になると思います。

 

文科省の対応の見苦しさ

 それに対して、文科省のやり方のみっともなさが目立ちます。

 安倍政権の歓心を買うために、政権にたてつく前川氏の動きを封じようとしたように見えます。

 文科省は、森友、加計関係の一連の問題で政権の不興を買っており、何とか挽回しようと必死ですり寄っているような焦りすら感じます。少し、同情したくなる部分もあります。

 

文科省の居丈高な姿勢の背景には

 文科省初等中等教育局があのような居丈高な姿勢をとることの背景には、義務教育費国庫負担に基づく権限があります。教職員定数の加配の問題などです。

 この国庫負担の制度は、20年ほど前、三位一体の改革が叫ばれていた時、文科省の課長時代の前川氏が政権にたてついてまで守ろうとされたものです。おそらく、官僚生命をかけておられたのでしょう。

 その権限を背景に、文科省の今の官僚が、政権にすり寄るために前川氏を圧迫しようとしていることに皮肉を感じます。

 私も県職員のころ、公立学校の施設・設備(公立文教、産振など)の補助の手続(事業認定、単価補正など)や、大学設置認可の関係などで、頻繁に文部省、文部科学省を訪問した時期が3回ほどあります。意地の悪い人もいましたが、いい人もたくさんおられました。親切にもしていただきました。一生懸命に仕事に励んでおられる方が大勢おられました。
 国民の目線を取り戻してくださるよう願っています。

 

 今後、名古屋市には、文科省の権限を背景にしたいじめが始まる可能性があります。名古屋市教委は、そんな兆候があったらすぐに情報を公表していただき、我々も監視していきたいと思います。

 

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 東京都中央区の区立泰明小学校で、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」のデザインによる新たな「標準服」が高価すぎると批判されています。最低限のセットで6万円ほど、替えのシャツまで含めると一式8~9万円ほどもするとのこと。保護者が苦情を言うのも当然です。

 

失敗学、危機管理論の貴重なサンプル

 この標準服の決定は、明らかに大失敗です。公立学校の使命を忘れ、経済的に困難な家庭もあることを無視した決定自体が、どんな立派な動機があろうと失敗です。

全国ニュースで批判を浴びるに至っては失敗であることは明らかで、途中過程でも引き返す機会を失するなど、決定後の様々な対応も失敗しています。まるで、失敗学の古典、「失敗の本質」(戸部良一ほか)で取り上げられているインパール作戦のようです。

 近年中に、ハーバードなどの、失敗学、危機管理論の講義レジュメに取り上げられるかもしれません。

 

失敗の数々

 行政職員として、数々の失敗を見聞きし、自らも失敗してきた私から見て、この件の失敗を列挙してみます。

1 常識、バランス感覚を欠く人物を校長に据えていたことが、まず、根元的な失敗でしょう。人事システムに問題があることは、明らかです。

2 この種の仕事は、通常の学校では副校長が中心になることが多いと思いますが、この件では副校長の役割が見えず、イエスマンだった可能性があります。副校長が適時に教育委員会に相談するなどすれば、防げていたはずで、人事配置も失敗しています。

3 利害関係者である保護者を関与させずに決定したこと、そんなやり方を許す組織であったことも、失敗です。

4 おおよその価格が明らかでない状態で導入を決めるなどは、ほとんど信じがたい失態です。

5 価格が明らかになり、高価すぎることが分かった時点で、引き返さなかったことも失敗です。関係者も、今になってみれば、アルマーニに賠償金を払うことになっても、新学期の一月くらい標準服の供給が間に合わなかったとしても、今の事態よりはましだったと思っていることでしょう。

6 区の教育委員会が、事態を把握することが遅かった失敗はもちろんですが、把握してからも、引き返させる決断をしなかったことも失敗です。断固として、計画を撤回させるべきでした。

7 私は東京都の仕組はよく知りませんが、一般的に、学校設置者は市(区)ですが、教員の人事権は都道府県の教育委員会が握っています。市(区)の教育委員会の幹部より有力校の校長のほうが立場が上のこともしばしばです。今回も、区教育委員会の指導には限界があったのかもしれません。それならば、都の教育委員会が前面に出て対応すべきでした。このようないびつな組織であることも、失敗を大きくした原因だと思います。

8 騒動になってからも学校側が公表した文書、校長の記者会見は、真正面から失敗に向き合っておらず、危機管理の観点からお粗末なものです。区や都の教育委員会が全面的に介入することをためらった結果と思われ、失敗でした。


  私たち、行政に携わる身としては、このような事件を教訓にして、適切な組織運営、意思決定に努めなければなりません。

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