サイト案内(目次)
新たに文部科学省の事務次官に就任した藤原誠氏が、就任あいさつの中で、「面従腹背をやめましょう。」と幹部職員に呼びかけたとの報道がありました。「面従腹背」は、組織的天下り斡旋問題で文科省を引責辞任し、その後、政権批判されている前川氏が著書の題名とし、自ら座右の銘と認めている言葉です。
課長補佐級以上の職員約400人を前に、藤原氏は、⓵仕事で議論すべきときは議論する、②大臣をはじめ上司が決めたことには従う、③いったん決めた後は議論のプロセスをむやみに外に漏らさない、の3つを求め、「要約すれば、面従腹背やめましょう。」と述べたとのことです。
矛盾、無理な前提はないか?
私がまず疑問に感じたのは、新次官の発言の①~③を要約すると、なぜ面従腹背をやめることになるのかということです。論理的に、明らかに無理があります。
①の議論をするのはいいでしょう。しかし、②で上司の決めたことには従わなければならないのであれば、心からの合意が成立するという前提でなければ、必ず面従腹背しなければなりません。③で議論のプロセスを外部に漏らさないということは、自分達としては反対なのだが「総理のご意向」で決まったなどということを外部に漏らすなということでしょう。
信念、志のある官僚は面従腹背せざるを得ない
上司、政権が替わったからと言って自分の信念をコロコロ変えられるはずがありません。それができるとすれば、信念のない、志の低い官僚だけでしょう。
大臣、上司の考えが自分と違う場合、議論して、合意できなければ辞職していたら、霞が関には無能な官僚ばかりが残る結果になってしまいます。入省の初志を大事にしようと思えば、しばらくは面従腹背をして、巻き返しの機会を狙うのが国民のための官僚の姿だと思います。
官邸すり寄りは見苦しい
文部科学省は、事務次官が2代続けて引責辞任したり、政権を窮地に追い込んだ文書が発見されたり、苦しい立場であることは理解します。ここで前川元次官への決別宣言のようなことを言って、政権の御機嫌を取りたい気持ちも分かりますが、官僚としての矜持は忘れないでいただきたいと思います。
このあいさつにより、政策の意思決定過程の不透明化、ヒラメ官僚の増殖が懸念されます。
![]()
にほんブログ村 参加しています。