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地方公務員の新採用職員研修もだいたい終わったころかと思います。私も、何科目か、講師を務めさせていただきました。
地方自治制度に関する講義では、条例制定権(「法令に違反しない限りにおいて」条例を制定できること)についても簡単に触れます。
昨年までは、上乗せ条例(国の規制よりも厳しい規制を条例で定めること)の説明の際は、公害防止条例を例に説明していました。大気汚染防止法などの国の法律よりも厳しい規制を条例で定めた事例等です。
今年は、東京都が制定の準備を進めておられる受動喫煙防止条例(仮称)がタイムリーで身近な話題だと思い、それを取り上げて新採用職員に説明しました。
東京都受動喫煙防止条例案の上乗せ、横出し論
私は、東京都のこの条例制定については、メディアが報じた範囲のことしか知りませんが、興味を持って注視していました。
報道によると、飲食店での全面禁煙について、国の健康増進法の現在の改正案では客席面積100平方メートル以下の飲食店は適用除外とされ、55%もの飲食店が規制対象から外れてしまいます。当初は、「30平方メートル以下のバーやスナックを適用外とする」という案だったのが、自民党の反対で緩められてしまったものです。
東京都は、初めは健康増進法の当初の改正案と同様に、面積30平方メートルを超える飲食店を全面禁煙とする方向で検討していました。それだと、典型的な上乗せ条例になります。
東京都では、それを避け、「被雇用者の健康」という法律とは別の公益を持ち出し、従業員を一人でも雇用している飲食店は全面禁煙とし、客席面積での規制を取りやめました。これにより、84%もの飲食店が全面禁煙になるとのことで、法律より大幅に厳しい規制です。しかし、客席面積で厳しくしているわけではないので、上乗せ条例とは異なります。一種の横出し条例でしょうか?
東京都が、客席面積による規制を取りやめ、従業員の有無に着目した規制に変更されたのは、こちらであれば条例制定権の範囲を超える違法な規制だと言われる心配がほとんどないからだろうと思います。どなたが思いつかれたのかは知りませんが、さすがは法制スタッフの充実した東京都だと感心しました。
講義の際の話のネタを提供してくださった東京都に感謝し、受動喫煙防止に向けての御健闘をお祈りしております。守旧派の議員に負けないでください。