ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 時間外勤務 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:時間外勤務

 1月11日、「あきんどスシロー」がアルバイトの学生に対して5分未満の端数を切り捨てて労働時間を計算していたため未払い賃金が生じているとして、中央労働基準監督署(東京都)から是正勧告されたことが報じられました。労働時間は1分たりとも切り捨てていいものではありませんから、当然です。

 一方、時間外勤務の端数時間については、1日ごとの端数処理は認められませんが、1か月分を集計した上で30分未満の端数を切り捨てることは認められています。これは、昭和63年の通達で確認された扱いのようです。

 しかし、いかに1か月集計したものであるとはいえ、両者は矛盾しています。30分単位の四捨五入だから必ずしも労働者に不利にはならないという言い訳がされていますが、絶対に労働者に不利にならない取扱いをすべきでしょう。法令上の根拠もなく切り捨てることは、違法の疑いがあるでしょう。

 昭和63年ころは、多くの職場にオフィスコンピュータはありましたが、誰もが使える程度には普及していませんでした。私の職場では、ワープロですら1人1台はありませんでした。時間を分単位で管理、集計し、計算することはなかなか面倒だったでしょう。今はその程度の計算はExcelで簡単です。

 技術が未発達な時代に便法として出された通達を、いつまでも温存しておくことは怠慢です。厚生労働省はじめ各省庁は、早急に見直しべきでしょう。

 ただ、多くの自治体では、時間外勤務を30分未満は切り捨てて30分単位で申告する職員が多く、このような慣行があると、かえって労働者側に不利になります。1分単位で申告する体制に切り替えることはなかなか難しそうですが、やるべきでしょう。

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 「ザ・ゴール」の著者として有名なエリヤフ・ゴールドラット博士の著作に、「チェンジ・ザ・ルール!」があります。20年ほど前、組織経営改革担当の部署に配属され、ビジネス書を乱読していた時期に読みました。博士の一連の著作と同様、TOC(制約性の理論)をストーリーの中で解説するビジネス小説です。

 企業が何億もかけてコンピュータのシステムを導入しても利益が上がらない原因は、迅速に処理できるようになったのに、発注のタイミング等の仕事のやり方を変えないせいだったという教訓だったと記憶しています。今度、読み直してみようと思います。

 今回、あの小説を思い出したきっかけは、時間外勤務の端数処理に疑問を感じたことです。

 

時間外勤務の端数時間の処理

 時間外勤務手当等の計算については、時間数を分単位で集計し、1か月の合計について、30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げるという処理が一般的です。役所ばかりでなく、民間企業の多くも同様です。

 実態としては時間外勤務の申請等は30分単位で行う人が多く、30分未満の端数が生じることは少ない職場も多いと思います。しかし、30分未満の端数が生じてしまうこともあり、それを切り捨てることは労働基準法違反ではないかという疑念があります。

 しかし、このやり方は、昭和63年3月14日基発第150号という厚生省の通達で事務を簡便にするために認められているため、広く行われています。労働者の権利の切り捨てを容認するこんなことを、通達(「法令」ではない)などで決めていいのかという根本的な問題がまずあります。裁判所が判断すれば、否定されるかもしれません。

 根本的問題はさておき、今の技術の下、端数切り捨てなどする必要があるのかという点が気になりました。昭和63年3月ころは、まだ事務室にパソコンがあまり普及していない時代でした。当時の普通の電卓で、分単位まで時間と金額の計算をするのは大変だったでしょう。あのような便宜的なやり方を認めざるを得なかった事情は理解できます。

 しかし今は、〇時間△分と入力して時間当たりの単価をかけて金額を求めるシステムなど、エクセルでも簡単にできます。今の時代、あのような適法性に疑問があるような便法を使うべき理由はありません。

 

 昔の技術に対応した古いルールを見直せば、生産性も上がるというのが「チェンジ・ザ・ルール!」の教えです。お忙しいのは承知していますが、見直してみませんか?

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