前著「反日種族主義」は、従軍慰安婦や徴用工、竹島の問題などでの韓国側の主張が虚偽であることについて、編著者の李栄薫氏はじめ6人の研究者がそれぞれの専門分野について論証したものです。韓国で大ベストセラーになって反響を呼び、そのことが日本でも話題になって日本語版もベストセラーになっています。
本書は、前著への批判に対する反論や、その後の研究成果などをまとめたものです。前著に引き続き、慰安婦、徴用工、竹島、地籍調査の問題(朝鮮総督府が土地調査にかこつけて土地を収奪したなどとされている問題)について、前著への批判にデータを示して反論しています。
さらに、本書では、日本支配下での経済成長、社会の近代化について、多くのページを割いて、韓国での従来の常識が誤りであることを論証しています。
両班(ヤンバン)と常人(サンノム)という身分制を脱したのは日本の支配によってであること、近代的な法制度も日本が持ち込んだことなど、一般の韓国人が認識していなかったことを説明しています。
韓国の民法は、韓国総督府が1912年に日本の民法をそのまま持ち込んだことが始まりです。それを土台にして、戦後の1952年に新たな民法が制定されましたが、あまり変更はなかったようです。そのことは、韓国の現職の検事でさえ知らない人が多いとのことです。日本の影響を受けたことを歴史からすっぽりと抹消しているためなのでしょう。
日本の現行民法も明治時代に制定されたまま、内容的にはあまり変更がないので、日本の民法と韓国の民法はそっくりです。そんなことは、私も初めて知りました。
また、日本でも法務局などで明治時代に行われた地籍調査の結果の地籍図(土地台帳付図)が権利関係の基盤として現役の土地が多いのですが、韓国でも、朝鮮総督府が行った地籍調査の成果が、同じような役割を果たし続けているようです。
さらに、日本支配下での生活水準、教育水準の向上なども説明されています。
だからと言って、著者らは日本の植民地支配を是認しているわけではありません。暴力による主権の侵奪と断罪しています。そのうえで、事実を事実として認めずに歪曲を続けたままでは、韓国社会の真の近代化はできないと考えておられるようです。
元「徴用工」や慰安婦に関し、日本での訴訟などを支援するなどした(けしかけた)日本の「良心的知識人」に対して、エピローグで苦言を呈しています。その「良心」が韓国人の「非良心」を助長して嘘をつかせ、日韓関係を最悪の状態にしたと断罪しています。「彼らの“良心”をひっくり返せば、そこには二等民族韓国人をいつまでも世話しないといけない、という傲慢な姿勢が根を張っていることが分かります。」と指摘しています。私も全く同感です。
著者らの勇気や努力に敬意を表し、その努力が実を結ぶことを願っています。
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