昨年11月の茨城県神栖市長選で、県選挙管理委員会が「まんじゅうや」「だんごさん」と書かれた2票を無効票と判断し、木内市長の当選を無効とした裁決を不当として、木内市長が県選管に裁決取り消しを求めた訴訟の判決で、3日、東京高裁はいずれも無効票に当たるとして請求を棄却しました。
私はこの県選管と東京高裁の判断に対して、大いに疑問を感じています。
県選管の職員時代、やはり市町村選挙に係る審査の申し立てを受けて、票の点検作業に従事したことがあります。その際、候補者氏名と「屋号」の対応表を配られ、それで票を区分けしました。「屋号」など、商売とか何代か前の戸主の名前とかに由来するようなものが多く、かなり狭い地域でしか通用しないものです。よほど小さい村でなければ全域で通用などしないでしょう。
木内氏の実家は老舗の和菓子店で、本人も地元で「まんじゅうや」と呼ばれてきたとのことで、市選管は当然これらの票を木内氏の有効票と判断していました。
東京高裁は、「神栖市内には和菓子屋が少なくとも9軒あり、木内氏の実家の菓子製造会社が独占状態にあるとの事実は認められない。『だんごさん』『まんじゅうや』は普通名詞の域を超えず、木内氏を指すものだとは明らかではない」と述べています。しかし、こんなことを言えば、例えば姓だけを書いた票など、同じ姓の人は何人もいるのです。でも、候補者の中でその姓が一人だけであればその姓の候補者の有効票とし、複数であれば按分します。
東京高裁の判決理由は、なるべく投票者の意図を汲み取ろうとする現在の実務と矛盾しているように思います。
一点だけ注意しなければならないとすれば、その呼称に侮蔑的なニュアンスがないかどうかでしょうが、今回の場合は、大丈夫だと思います。
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