福島第一原発の事故で会社(東京電力)が多額の損害を被ったとし、東京電力の株主が旧経営陣に会社への賠償を求めている裁判の2審が、7月24日に始まりました。
この裁判は、東京電力の株主らが、原発事故が起きたために廃炉作業や避難者への賠償などで会社が多額の損害を被ったとして旧経営陣5人に対し22兆円を会社に賠償するよう求めていたものです。1審の東京地方裁判所は「浸水対策をとっていれば重大な事態を避けられた可能性が十分ある」などと指摘して、合わせて13兆余りの賠償を元会長ら4人に命じましたが、旧経営陣側は「事故を回避することは不可能だった」として1審判決を取り消し、訴えを退けるよう求めています。
争点は、国の地震調査研究推進本部が2002年に公表した「長期評価」の信頼性についてです。「長期評価」では、巨大津波の襲来の可能性が示されています。1審判決は、この「長期評価」があったのに対策を行わなかった旧経営陣の責任を認めています。
それに対して、旧経営陣は、2審で「津波対策を義務づけるに足りる信頼性は無かった」と述べ、巨大津波の襲来は予測できなかったと強調しました。一方、株主側は、「旧経営陣は巨大津波は来ないものだと思考停止していた。長期間、対策を先送りした責任がある」と改めて主張したと報じられています。
旧経営陣の主張は無理ではないか?
今後の論戦を楽しみにしていますが、現時点で報道を読む限り、旧経営陣の主張は無理があるように思います。国の機関が出している「長期評価」ですから、当時の最高の知見が示されたものでしょう。自然相手のことですから、その「長期評価」が絶対に正しいという証明などできるはずがなく、信用できないというのなら明確な根拠が必要です。
「長期評価」が誤りと断定できないなら、そこで指摘された危険に対して対策を講じておくべきことは、あんな危険な施設の設置・管理者としては当然のことです。それを怠った責任者は、賠償を命じられて当然です。全額を賠償することなどできないでしょうが・・・。
あんな危険物を扱う以上、わずかな危険性に対しても万全の対策を講じなければならないこと、それを怠った経営者は個人賠償責任を負うことを明確に示していただくことを期待しています。それでもまだ、原発を増設したり、稼働させたりする愚かな経営者はいるでしょうか?
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