ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 橘玲 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

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 著者は、遺伝による人の能力への影響、資産形成法など、様々な分野の著書があり、その中では口に出しにくいことも明解に語られているので、私はファンです。本書は、それらで語られている事実から、ではどのように生きるのが幸福への近道か考察されています。

 「言ってはいけない 残酷すぎる真実」(橘玲)を読んで

 「バカと無知」(橘玲)を読んで

 「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」(橘玲)を読んで

 

 幸せかどうかは主観的なもので、本来は外部からは判断できませんが、本書では幸福になる土台を有しているかで判断することにしています。また、人生は限られた貴重な資源である時間やお金を何に振り向けるかの選択(トレードオフ)の繰り返しです。その選択によって、幸福を感じることのできる機会が多くも少なくもなります。

 そして、選択をすれば必ずもう一方を失うというコスト(機会費用)が発生します。したがって、選択せずに済めばそれがベストです。お金があればミカンを買うかリンゴを買うか迷う必要がなく、両方を楽しむことができます。そこから、「選択を避けるもっともシンプルな戦略はお金持ちになること」という身も蓋もない原則が導かれます。

 

幸福の土台

 著者は、前述の「幸福になる土台」を「金融資本」「人的資本」「社会資本」の三つの資本であると主張されます。「金融資本」はそのままの一般的な意味、「人的資本」とは労働市場に投じて利益を上げることのできるもの「社会資本」とは人とのつながり(パートナー、友人)などです。

 本書は、この三つの資本を効率的、合理的に構築するノウハウを論じたものです。金融資本を効率的に増やす方法、労働市場における自分の価値を高める方法、人との関係を最も有意義な形に取捨選択していく考え方等が論じられます。

 

現実的なノウハウ

 「実践編」は、「金融資本の成功法則」「人的資本の成功法則」「社会資本の成功法則」として、「幸福の土台」別に実践的ノウハウが紹介されています。それらの中では、先に挙げた著書で説明されていた最新の研究成果もあらためて紹介されています。

 例えば、金融資本を効率的に増やす方法として、外貨建てで、手数料の安いインデックスファンドを長期に定額購入し続けることなどが、最も合理的であるとして推奨されています。

 また、人の能力は遺伝による部分が大きく、素質がない分野では努力しても無駄であるという身も蓋もない真実から、どのようにすれば自分の「人的資本」を最も高められるかを論じています。
 私のような高齢者も興味深く読みましたが、これからが長い若い人たちには、大いに参考になると思います。

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 本書の原版は2002年に出版されて大きな反響を呼び、その後の制度の変更などを反映して2015年に改訂版が出版されました。本書(新版、幻冬舎文庫)は、文庫化に際してさらに手を加えられています。

 副題は「知的人生設計のすすめ」で、黄金の羽根とは、制度の歪みがもたらす幸運のことです。それを手に入れると大きな利益が得られます。

 黄金の羽根は、通常はなかなか見つけるのが難しいようですが、税制の歪みのあたりにたくさん落ちているようです。しかも、歪んでいることが分かっていても、既得権益になっているため是正が困難で、恒常的に落ちていることもあるようです。

 代表的なものは個人に課される所得税よりも法人に課される法人税が圧倒的に有利であることのようです。個人事業主が法人化すべきことは当然ですが、サラリーマンも、会社に雇用されることをやめて会社と業務委託契約を結び、法人化するという手もあることが紹介されています。公務員は無理でしょうが、民間企業なら条件次第で応じてくれそうです。企業側にも、労務管理上の厄介ごとから免れるというメリットも考えられます。

 本書の半分くらいは、マイクロ法人を作って税制上のメリットを享受し、急速に資産を築く手法が解説されています。

 あとの半分ほどは、株式投資、不動産投資、生命保険などの投資、資産運用の説明です。マイホームを購入するのも立派な不動産投資で、投資である以上リスクもあります。「住宅ローンは株式の信用取引と同じ」という法則では、自己資金の4倍のローンを組んで不動産を取得した場合、5倍のレバレッジがかかるので、利益も損失も5倍になることが説明されています。私もローンを組んで自宅を取得しましたが、そんなリスクはうかつにも意識しませんでした。

 法人化して自分に対して役員報酬を支払った場合、一定の要件の下に会社の経費として損金に計上できます。さらにその分の個人の所得としては給与所得控除が認められ、いわば経費の二重取りのようなことになっています。そのため2006年度税制改正で「同族会社の役員給与損金不算入」の規定が設けられました。しかし、自民党の支持基盤である中小企業の既得権益を直撃したため猛反発が起こり、翌年には早くも骨抜きにされ、3年後の2010年には制度そのものが廃止されてしまったとのことです。結果、制度の歪みは存続し、黄金の羽根は落ちているままです。

 高齢の私は法人化まではするつもりはありませんが、資産運用、投資、保険に関していろいろ役に立つ知識を得ることができました。

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 本書は、数年前に橘氏が著してベストセラーになった話題作「言ってはいけない 残酷すぎる真実」「もっと言ってはいけない」と同傾向で、あからさまに口に出してしまうと差別主義者のレッテルを貼られてしまうような事実(科学的な実験等で裏付けられたこと)を解説した本です。

 「言ってはいけない 残酷すぎる真実」(橘玲)

 「もっと言ってはいけない」(橘玲)  参照願います。

 

 なぜ人々が正義や善意を振りかざして、皇族や著名人をネットなどで寄ってたかってバッシングするか、その心理について、人類の進化の過程で我々のDNAに刻み込まれた考え方の特性や最新の脳研究の成果などから解き明かされます。

 ヒトは集団でなければ生きていくことができません。①目立ちすぎて反感を買うと共同体から放逐されて死んでしまう。②目立たないと性愛を獲得できず子孫を残せない。 という生活を何十万年も続け、今の我々はそんな状況で勝ち残る特性を備えた者の子孫です。

 近年の脳科学で、自分より下位の者と比べると快感を感じ、上位の者と比べると不快を感じることが分かっています。また、ルール違反をした者を罰すると快感を感じることも分かっています。だから、自分より上位の人(著名人など)のルール違反に対し、自分が反撃されないように匿名で、正義を振りかざして引きずり下すことは、人間にとってこの上ない娯楽であり、我々の本能的な行動のようです。進化の過程で、そのように設計されているのです。

 「能力の低い者は、自分の能力が低いことを正しく認識できているのか」に関心を持った研究者が実験で確認したところ、「バカの問題は、自分がバカであることに気づいていないこと」という「ダニング=クルーガー効果」も解説されています。能力の高い人は自分を少し過小評価するのに対し、能力の低い人は自分を大幅に過大評価しがちのようで、これも集団内で生き残り、子孫を残すために有利な資質のようです。この現象、効果は、日本の政治家についてもしばしば観察されるので、私たちは見慣れています。

 相談して正しい結果が得られるのは、一定以上の能力を持つ者だけで話し合った場合に限られるという実験結果も紹介されています。バカが混じっているとバカに引きずられ、それが民主政治がうまくいかない根本原因であり、決定の場からバカを排除することが望ましいなどという話は、「リベラル」はもちろん、一般人でも抵抗があるでしょう。

 このほか、人種、男女の性差や差別の問題など、今の社会ではあからさまに発言することがはばかられるような話が満載です。社会を一歩離れたところから見直すために持つべき視点を得るために、必読の書だと思います。

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 日本語訳の本書は「転売屋は社会に役立つ」という副題が付されていますが、1976年に米国で出版された原書は、Defending the Undefendable(擁護できないものを擁護する)という題名のようです。その題名の通り、一般的には極めて不道徳だとされている売春婦、ポン引き、ダフ屋、麻薬の密売人などは自由市場において役割を果たしているとして、存在価値を認め、称賛しています。本書は際物ではなく、ノーベル経済学賞受賞者のフリードリッヒ・フォン・ハイエク氏も絶賛しているとのこと。

 

リバタリアニズムとは

 本書は、リバタリアニズム(国家の干渉を極力排除して市場経済に任せる、自由主義を徹底した考え。自由原理主義。)を紹介する本です。日本では「オバタリアン」という言葉があるため、リバタリアンとかリバタリアニズムはそれと同類のように思われ、いかがわしい語感ですが、米国の政治を理解するうえなどで、大事な言葉のようです。

 先制攻撃としての暴力や、暴力による脅迫などは国が取り締まって当然ですが、それ以外の行為(例えば、誹謗中傷など)は禁止せずに自由にすべきという考えです。この辺が、一般的な「リベラル」との大きな相違点です。

 一般的な「リベラル」とは、目指すところが逆になることが多い考えです。

 

いくつかの例

 麻薬が社会に及ぼしている害のほとんどは、国家がそれを禁止しているところから発生しています。国家が禁止しなければ、麻薬の価格は妥当なものになり、麻薬中毒者が犯罪に走ったり、マフィアの資金源になったりすることもないというわけです。過度に摂取すると健康に害を及ぼす可能性があることは、タバコ、アルコール、ポテトチップスなどと同様です。現に、合法化する国が増えつつあります。

 売春も、誰の権利を侵害しているわけでもありません。自分の保有している資本(性的魅力)を運用することによって悲惨な生活に陥ることを避けられるなら、その選択肢を他人が否定することは、余計なおせっかいです。

 誹謗中傷が禁じられていなければ、ネットは事実無根の誹謗中傷で溢れるでしょう。そうなれば、人々はネットなどで流されるデマを簡単には信じないようになります。また、そもそもある人の名声などは他人の頭の中にあるもので、名声の主の所有物ではありません。奪い取ったり、取り戻したりできる物ではありません。

 

 愛知トリエンナーレで慰安婦像の展示などを支持するリベラルは、韓国・朝鮮の人たちに対するヘイトスピーチは禁止すべきと主張する場合が多いようです。それによって心が傷つく人がいる点では同じ事で、一方を容認し、一方を容認しないのは、二重の基準と言わざるを得ません。どちらも禁止すべきでないと考えるのがリバタリアンのようです。 

 

 理屈を突き詰めればリバタリアンが正しそうですが、やはり私はそこまでは割り切れません。

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 本書は、前著「言ってはいけない 残酷すぎる真実」で紹介されていた人種による頭の良し悪しの問題を掘り下げた内容が中心になっています。

 前著でも、頭の良し悪し(IQ)について、遺伝による影響が一般に考えられている以上に大きく、育て方の影響は小さいことが、根拠を示しながら説明されていました。また、人種による差がかなりあることも示されていました。

 『「言ってはいけない(橘玲)を読んで

 

 本書では、人種による頭の良し悪しが生じた歴史的背景などが説明されています。その中で、アフリカで発生したサピエンスが世界中に広がる過程で、他の人類(ネアンデルタール人など)と交雑し、滅ぼしながら、遺伝的に少しずつ異なるグループ(人種)に分かれていったことが描写されています。

 本書の本筋ではないのですが、サピエンスの歴史の解明にロマンを感じました。今度、その分野の本も読んでみたいと思います。

 

 私は知らなかったのですが、普通の遺伝子に加え、母系にだけ伝わるミトコンドリア遺伝子というのがあり、両者を分析することによってかなり詳細に各民族(例えば日本民族、弥生人、縄文人など)の来歴を推測することができるようです。

 

 OECDの調査などによると、ヨーロッパ系ユダヤ人、東アジア人(日本、中国、朝鮮半島)などが平均的に高い知能を有しているとのことです。

 ヨーロッパ系ユダヤ人は、差別、迫害を受けながら、高い知能を持った人がより多くの子孫を残し、かつ同族内での結婚がほとんどだった結果、知能の高いグループが形成されたようです。

 東アジアは、水田による稲作が早くから発展し、密集して居住する社会が形成された結果、知能の高い人がより多くの子孫を残し、知能の低い人が淘汰されていったとのことです。

 

 遺伝による頭の良し悪し、まして人種間の頭の良し悪しを論じることは、傷つく人がいるとの理由で、特にリベラルな立場の人たちからバッシングされがちです。しかし、著者は、「がんばれば誰もが勉強ができるようになる」などというきれいごとで、がんばってもできない子供を苦しめるべきではないと主張されています。

 たしかにその通りだと思います。きれいごとを言い続けても誰も救われません。事実は事実として共有した上で、それを前提とし、みんなができるだけ幸せに暮らせる方策を考えるべきでしょう。

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