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 826日、安倍首相は、訪問先の鹿児島県垂水市で来月の自民党総裁選への出馬を正式に表明しました。記者団に対し、桜島をバックにビジュアルな効果も狙った演出でした。

同じ日、安倍首相は、鹿児島県鹿屋市で開かれた森山国会対策委員長の講演会合に出席し、「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい。」とスピーチして、薩長の絆を強調してみせたとのことです。

鹿児島でのリップサービスに過ぎないことは承知しています。しかし、そういう言動がこの国の多くの人々に恨みを思い出させ、国を分断するものであることに思いが至らない鈍感さにあきれます。

薩長だけで勝手にやってくれと言いたくなる人たちもいるでしょう。

 

150年後も残る複雑な感情

 私は、賊軍とされて特別にひどい目にあわされた地域の出身ではありません。しかし、いろいろな歴史を読み、いわれもなく賊軍、朝敵とされた人たちに同情し、今も恨みを忘れていない地域の気持ちがよく分かります。

 安倍首相に限らず、勝った側の地域の人たちにとっては、薩長連合とか薩長土肥とかは、輝かしい歴史を感じる言葉なのかもしれません。しかし、それ以外の地域の人たちにとっては、いいイメージの言葉ではないことを理解しなければなりません。

 「平成の「薩長土肥」連合?」

 「「明治維新という過ち」(改訂増補版、原田伊織)を読んで」

 

 

歴史の検証を

 この発言で、福島県を中心とした東日本の地方票が多少は逃げるでしょうが、今回の自民党総裁選はすでに結果が見えていると言われています。

 安倍首相は、先祖が150年前に申し訳ないことをしたという忸怩たる気持ちはないようです。2007年には、参院福島補選で応援に入った安倍首相が「(戊辰戦争で)先輩がご迷惑をかけたことをお詫びしなければならない。」と謝罪しましたが、自民党候補は落選しました。あの謝罪は、選挙目当ての口先だけのものであったことが、ここで露呈してしまいました。

 30年前、戊辰戦争後120年の時に、山口県萩市から会津若松市に友好都市締結の話があり、会津若松市民が猛反発しました。締結に前向きだった市長は翌年落選したそうです。その後も和解の機運は高まりません。

戊辰戦争が必要だったのか、恭順を示していた会津、桑名、庄内藩などをあれほど酷い目にあわせたことが正しかったのか、検証すべきだと思います。

 それがなければ、いつまでも恨みは続きます。