毎日の報道で、宗教に関わるものがたくさんあります。世界を考えるうえで、宗教に関する最低限の知識は不可欠です。本書は、ニュースを理解するために最低限必要なことについて、子供にもわかるように解説しています。ただし、各宗教の教義についての深い説明はありません。
トランプ大統領関係の報道によく出てくる「キリスト教福音派」、宗派の名前かと思っていましたが、そうではなく、主にプロテスタントの様々な宗派にまたがって存在しているとのことです。米国人口の4分の1にあたる約8千万人もいて、彼らは、聖書は「神の霊感」によって書かれたもので、一字一句すべて誤りのない真実だと信じています。神はアダムとイブを造られたのだから人間の性は男と女の二つだけ、「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」とあるから人工中絶など絶対ダメという具合です。「聖書原理主義」といってもいいかもしれません。でも、聖書を盲信しながら、なぜあんな隣人愛のかけらも感じられない行動ができるのかは、やはり理解不能です。
三大宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)が概説されています。イエスは神の子で、神と同じに拝む対象ですが、ムハンマドは予言者であり、人間だから拝む対象ではありません。そこから、イスラム教では偶像崇拝を禁止しており、仏像などを破壊する動機があるようです。
イスラムについては、日本人にあまり知られていないことを意識してか、その生活ぶりについてもかなり紹介されています。また、シーア派とスンニー派、自爆テロなどを容認するコーラン上の根拠にも触れられています。
世界に影響する三大宗教のほか、日本を知るうえで欠かせない神道、オウム真理教、統一教会の問題なども解説されています。神道と天皇家の関わり、特に靖国問題については、かなり詳しく、とても参考になりました。A級戦犯の合祀が報じられて以降も、日本の首相は靖国参拝を続けていましたが、中韓から文句はありませんでした。中曽根首相が「公式参拝」を明言した時から中国の反発が始まりました。また、A級戦犯の合祀が報じられて以降、昭和天皇が参拝されなくなり、その後の天皇も参拝していないこと等・・・。
「日本人は尊いものを敬い、区別なく大切にしてきたのです。自分は宗教を信じているつもりはなくても、神社に行ったらかしわ手を打ち、お寺に行ったらお賽銭をあげてお祈りをする。そういうことをごく自然にする。あらゆる宗教施設をとにかく大切にしようという気持ちがあります。」私も同感です。この気持ちは、もともと森羅万象に神を見る多神教に由来するものでしょう。一神教の不寛容より、私にもこっちの方がしっくりします。
これまでも宗教関係の本はかなり読んできましたが、知識の整理ができ、新たに知ったこともたくさんあり、満足しました。
![]()
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。
サイト案内(目次)へ