県を定年退職して9年目、現在は退職後3つ目の勤務先、民間中小企業でパートタイムで働いています。定年後しばらく、別の小規模な地方公共団体で働いていた時はもちろんですが、民間企業の今も、法制執務の知識が意外に役に立ち、同僚からも重宝されています。
県の職員でも、県の条例や規則の制定、改正に従事する機会はあまり多くないと思います。税条例や給与条例の担当であれば毎年1、2回は改正があったでしょうが、普通はあまり縁のない仕事です。私も県条例や規則の改正等を担当したのは数えるほどです。しかし、市町村課とか地方課などに在籍していると、市町村向けのモデル条例、規則(昔は「条例準則」といいました。)の制定・改正に従事する機会は頻繁にありました。特に、1999年に地方分権一括法が成立し、機関委任事務の廃止の関係などで2000年3月末までに膨大な数の市町村条例、規則の改正を支援したときは、大変な作業でした。
法制執務のノウハウはわりとレア
今、私は、民間企業の社内規程の改正等も担当していますが、法務部を持っている大企業は別として、規則改正のノウハウを持つ社員などいません。外部にも適当な専門家はいません。
例えば、制度改正に伴って就業規則を改正しようとする際、社会保険労務士は改正すべき内容は熟知しているでしょうが、規則の文案を作成することは一般に不得手です。社労士試験にそんな科目はなく、そんな訓練を受けていないのだから、当然です。
弁護士や司法書士も同じようなものです。こちらで規則案を作って審査をお願いすればやってくれるかもしれませんが、案の作成まではなかなか依頼できません。
法制執務のノウハウは、契約書を作成する際にも役立ちます。
もちろん、民間企業ですから法制執務のルールをすべて適用させる必要はありません。例えば、漢字の送り仮名も法令文のルールは一般社会の原則と異なるものがあり、そんなものは役所ルールを押し付けるべきではありません。ただ、それら以外の点は、法制執務のルールに従ったほうが意味が明確になる場合が多いと感じています。
地味で退屈だと思っていた法制執務の仕事ですが、経験しておいて良かった!
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