ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 秦郁彦 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

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 本書では、20人の専門家が各テーマについて論じています。月刊誌『諸君』20037月号に掲載された特集に加筆訂正したものです。したがって、執筆者に保守系の専門家が多く、また最近の状況が反映されていませんが、それでも、私にとって新たな知識がたくさんあり、興味深く楽しむことができました。

 

 取り上げられているテーマは、慰安婦南京大虐殺朝鮮人の強制連行東京裁判などです。

 

 「憲法改正はなぜ実現しなかったのか」というテーマは、百地章氏の執筆です。この方は、憲法改正推進の立場のようで、私とは最終的には意見が異なりますが、賛同できる部分、興味深い部分がありました。

 日本と同じ敗戦国のドイツは、1956年に早くも憲法を改正して国防軍を設置しているほか、1968年にはアメリカ、イギリス、フランスからの完全な独立を達成するために国家緊急権規定を盛り込むなどの大改正をしているとのことです。

 私も、自民党が現在狙っているのがアメリカからの完全な独立を果たすための憲法改正であれば賛成するかもしれないのですが、そうではなく、アメリカによる日本国内での自由な基地使用、有事の際の指揮権を温存したままの小手先の改正なので、やらない方がいいと考えているのです。

 

 「日本のマスコミは戦争責任をどう果たしたのか」というテーマでは、敗戦後の各新聞社内部での戦争をあおった責任を追及する動き、GHQによる報道規制への対応などを解説しています。GHQが、日本に二度と戦争を起こそうなどと気を起こさせないためと、占領施策や米軍の暴行などへの日本人の不満をそらすために「ウォー・ギルト・インフォメーション」(戦争の罪広報計画)を遂行したこと、そこで日本人が戦争の責任を骨身に染みるように日本軍の残虐行為を殊更に宣伝しようとしたこと、それに日本の一部勢力が迎合・便乗したことなどの説明は、説得力があります。新聞社などもGHQに忠誠を示すかのように、日本軍の悪事を書き立てたようです。「あれほど悪いことをしたのだから、原爆を落とされたのも無差別爆撃を受けたのも仕方のないこと」と思わせたかったのでしょう。GHQによって遂行されたこの施策が、慰安婦、南京大虐殺など、日本を実際以上に悪者に仕立てた虚説をはびこらせ、現在に至るまで尾を引いているのだと思います。この施策が、本書で論じられている他の争点にも影響を与えているのでしょう。

 

 「歴史教科書ではなぜ被害者数がインフレになるのか」というテーマは、編者自身の執筆です。ここでは、外国や国内の一部勢力の思惑で、根拠のない数字がどんどん詰みあがっていく様子が示されています。

 

 左派系の論客のものも読みますが、やはり秦郁彦氏らのものの方が実証的で、説得力があります。「日本人の常識」として、読んでよかったと思える本でした。

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  副題: 東大ゼミで「人間と歴史と社会」を考える

 本書は、東京大学の大沼保昭教授が、その法学部・公共政策大学院の合併ゼミとして、慰安婦問題を通して人間と歴史と社会を考えるというテーマで1年間にわたり行われたゼミの記録です。その間、アジア女性基金にかかわった人たち、国の責任を曖昧にしたままの基金による償いに反対して国家補償を主張する人、補償に反対の立場の論客、歴史家など、20名ほどの人たちの講演を聴き、質疑応答をされています。本書では、その中から和田春樹氏、秦郁彦氏、吉見義明氏、上野千鶴子氏、長谷川三千子氏、石原信雄氏、村山富市氏の講演とゼミ生との質疑応答の概要、その他の講師の講演概要がまとめられています。

 編著者の大沼教授自身は、アジア女性基金の設立にも大きく関わった方で、元慰安婦に対する補償を推進された立場です。

 

分かったこと、分からないこと

 私は慰安婦問題について自分なりの考えは持っていましたが、事実はどういうことであるのかをもっと明確に知りたいという気持ちがあり、本書を読んでみました。

 軍などによる強制性を認め、補償に賛成する立場の人たちも含め、歴史学者の方たちは、朝鮮半島においては軍や官憲による強制連行とか、女子挺身隊として徴用した女性を慰安婦にしたなどということについては全く裏付けがなく、そんな事実はなかったであろうことについては、概ね一致しているようです。

 慰安婦の募集や移送について軍や行政が便宜を図り、また、慰安所の管理運営について軍の統制があったことについても、一致しています。ただし、それをもって「強制性」として補償を要するものと考えるかどうかという点で、考え方の相違があるだけのような気がします。他に何か「強制性」を示す具体的な事実がないか、注意深く読んでみましたが、本書からは読み取れませんでした。

 官憲が、甘言を弄して女性をだまして連れて行ったという元慰安婦の証言はありますが、目撃者の証言などはないようです。補償を支持する立場の人の中には、それらの証言を一部信じる人もいますが、怪しげな証言もあることは認めているようです。

 悪質な業者を官憲が取り締まっていた資料があるので、悪質な業者もいたことは間違いないでしょう。ただ、ほとんどの場合、連れていかれた親、家族にかなりの額のお金が支払われ、抵抗運動などが発生していないことからすると、親や家族は知っていたと考えるほうが自然だと思います。

 

 慰安婦を利用したという道義的な責任はあるかもしれませんが、当時は違法ではなく、それを断罪するなら他国の軍隊も同罪です。

 政府には、強制連行などという根も葉もない言いがかりに対しては、毅然として対処していただきたいと思います。

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