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ここまで、契約保証金、電気や物品の売買契約、単価契約、相手方の支払遅延に対する遅延利息等などについて、「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」(一般に「端数計算法」)の運用について、説明してきました。
本稿では、同法第7条により同法が「適用除外」される範囲について説明します。
適用除外の範囲
端数計算法は、国税や地方税などには適用しないことになっていますが、その適用除外の範囲についても問題になることがあります。
(適用除外)
第7条 この法律は、次に掲げるものについては適用しない。
一 政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条、第9条及び第10条の規定による遅延利息
二 健康保険法(大正11年法律第70号)第181条第1項、船員保険法(昭和14年法律第73号)第133条第1項、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第87条第1項、国民年金法(昭和34年法律第141号)第97条第1項及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第28条(失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(昭和44年法律第85号)第19条第3項において準用する場合を含む。)の規定により徴収する延滞金
三 国税(その滞納処分費を含む。)並びに当該国税に係る還付金及び過誤納金(これらに加算すべき還付加算金を含む。)
四 地方団体の徴収金並びに地方団体の徴収金に係る過誤納金及び還付金(これらに加算すべき還付加算金を含む。)
五 国有資産等所在市町村交付金又は国有資産等所在都道府県交付金
六 前各号に掲げるものの外政令で指定するもの
問題になるのは、この第4号の「地方団体の徴収金」の範囲です。
端数計算法の中では定義されていないので、これを地方税等に限るのか、手数料や分担金等も含むのかが明確でありません。困ったことに、自治体の財務担当職員のバイブル的存在の「地方財務実務提要」もあいまいです。同書16章7節では、「端数計算に関する法律第7条第1項第4号に規定する「地方団体の徴収金」の解釈」と題するQ&Aと「地方公共団体の手数料等の端数計算」と題するQ&Aとで、異なった解釈を示しています。
前者では、第3号で「国税」と明示していることとの違いを重視し、その他の公法上の収入(分担金、使用料、加入金等)も含むと解釈すべきだとしています。後者は、地方税法で端数処理を規定したのと同時にこの部分の改正が行われた経緯等から、ここでいう「地方団体の徴収金」は、地方税法第1条第1項第14号の「地方団体の徴収金」の定義と同様、「地方税並びにその督促手数料、延滞金、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金及び滞納処分費」をいうと解釈しています。「同じ本の中で異なる見解を示さず、調整すればいいのに・・・。」と思うのですが、気付いていないのかもしれません。
私は、法令の解釈は文理解釈が基本であることから、「地方税」とせずに「地方団体の徴収金」としてある以上、分担金、使用料、手数料などの公法上の収入を含むと解釈すべきだと思います。
多くの地方公共団体で、下水道の分担金などで10円未満とか100円未満を切り捨てるような規定を定めているところが多いようです。しかし、これは、分担金も適用除外されていると解釈しているためなのか、条例に基づいて端数処理された後の金額が「確定金額」となるという解釈によるものなのか、または両方なのかは、はっきりしません。
いずれにしても、実務的には、自治体の判断で端数処理の仕方を決めていいことには変わりはありません。
徴収しようとしたら収入よりも経費の方がかかってしまう徴収金を端数計算法を無理に適用して徴収しようなどとせず、法を適切に運用して、合理的な事務処理を測ろうと思います。
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