「仏教2500年の流れ」という副題が付いています。

 250ページ程度の文庫版のマンガです。主人公は大学で仏教の講義もしている僧侶で、主に学生に説明する形で、仏教全般が分かりやすく解説されています。

 冒頭は、当然、釈迦が悟りに至る過程の描写があります。中国での展開はほぼ省略されていますが、日本に伝わってからの展開、各宗派の教義が簡単に説明されています。どの宗派についても、批判的な論調ではなく、好意的な解説です。

 

三法印「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂静」

 仏教のすべての宗派の基礎となっている3つの概念を「三法印」と呼ぶそうです。

 「諸行無常」は、この世のすべてのものは変化していき、永続するものなどないことで、平家物語の冒頭などで有名な言葉です。

 「諸法無我」は、あらゆるものは、そのもの単独で固有の実体をもって存在しているわけではなく、他のものとの関係性の中でのみ存在しているという概念で、そのような様態を「空」(くう)といいます。

 「涅槃寂静」(ねはんじゃくじょう)とは、諸行無常や諸法無我を悟って、とらわれや迷いがなくなった平和で落ち着いた境地を言います。

 この涅槃寂静に至るアプローチの違いが、各宗派の違いといっていいのでしょう。

 

「和をもって貴しとなす」

 聖徳太子が定めたと言われる十七条憲法の第2条は「篤く三宝を敬え」で、三宝とは仏法僧のことなので、仏教的であることは知っていました。しかし、第1条のこの文言は、単に「仲良くしなさい」という意味だと思っていましたが、違っていたようです。

 「和」というのは、因(結果の内的原因)と縁(結果の外的原因)が出会うことで、釈迦の説いた因縁を大切にしなさいという意味だということです。それが通説なのかどうかは分かりませんが、初めて知りました。

 

 仏教の全体像をざっと知るためには、いい本だと思います。

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