カナダのオンタリオ州政府が米企業から医療用マスクの輸入契約をしたのに、米政府が輸出を阻止したことが紛争になっています。米政府は、スリーエム(医療用品等の大企業)などに、マスクの輸出を停止するよう要請しているとのことです。
EU内部でも、マスク等をめぐる同様の争いが生じています。
自国でも不足しているものを外国に輸出するなという主張は、自国民を守ろうとする政府としては当然のことです。しかし、それならば、平時にはマスク等の輸入に高率の関税をかけ、自国のマスク生産者を保護するのも当然のこととして認められなければなりません。
行き過ぎたグローバリゼーションの揺り戻し
グローバリゼーションの行き過ぎを引き戻す動きは、数年前から目立つようになっていました。米国の自国第一主義、保護主義化の動き、英国のEU離脱、EU各国内での反EU勢力の台頭などです。
今回はマスクなどの医療資材でしたが、食糧などでも常にこのような危険があります。
また、そもそもグローバリゼーションが進展していなければ、今回の新型肺炎も武漢周辺の風土病に過ぎなかったわけです。
行き過ぎたグローバリゼーションは、一部の大富豪を生んだ反面、特に先進国の労働者の仕事がどんどん中国などに奪われ、失業を生んできました。グローバリゼーション・ファティーグ(グローバリゼーション疲れ)と呼ばれる閉塞感も広がっていました。
少しくらい安いからといって、何でもかんでも外国に依存することは危険です。WTOのルールも見直す必要があるかもしれません。
新型コロナウイルス騒ぎの一連の教訓が、行き過ぎたグローバリゼーションを引き戻すきっかけになるのではないかと期待しています。
にほんブログ村 ご覧いただきありがとうございます。