ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 議会解散 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:議会解散

 伊東市の田久保市長が今日(9月10日)、地方自治法に基づいて市議会を解散しました。
 市長に対しては不信任決議案が
9月1日に市議会に提出され、全会一致で可決されました。その旨、議長から市長に即日通知されたようで、田久保市長は11日までに議会を解散するか、失職又は辞職するかの選択を迫られていました。

 私は、田久保氏にとっては失職が最も有利で、伊東市のためにもなると思い、田久保氏の理性に一縷の希望を持っていたのですが、やはりダメでした。

失職が市長にとって最も有利だったろうが

 客観的に見れば、失職を選択するのが田久保氏にとっては最も有利でしょう。議会を解散しても、新たな議会で再度不信任決議がされるのはほぼ確実です。どちらにしろ市長選挙は実施されることになりますが、議会を解散すれば議員選挙もやることになります。4,500万円ほども余計な市費を浪費することになるようです。そのことに対する批判が、田久保氏に向かうのは確実です。

 議会解散など余計なことをせずに、失職して出直し選挙に臨む方が有利だったでしょう。それで成功した兵庫県知事の例もあります。

なぜ議会を解散?

 議会解散を選んだ理由としては、議会に対して嫌がらせをしたいとか、少しでも長く市長の報酬を受けていたいとかくらいしか思いつきません。新たな市議会で再度の不信任決議を回避するには、少なくとも議会の3分の1を田久保派にすることが必要です。

 地元の状況は分かりませんが、伊東市民はそんなことはさせないと信じています。

地方自治法第百七十八条

 普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる。

② 議会において当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をした場合において、前項の期間内に議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決があり、議長から当該普通地方公共団体の長に対しその旨の通知があつたときは、普通地方公共団体の長は、同項の期間が経過した日又は議長から通知があつた日においてその職を失う。

③ 前二項の規定による不信任の議決については、議員数の三分の二以上の者が出席し、第一項の場合においてはその四分の三以上の者の、前項の場合においてはその過半数の者の同意がなければならない。
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 728日、東京都千代田区の石川雅己区長が、区議会の解散通知を議長に提出したことが報じられました。発端は、区長が、区内マンションの一般には販売されない「事業協力者住戸」を不動産業者から購入していたことです。これについて、便宜供与があったのではないかとして区議会が行った100条委員会で、区長が偽証や証言拒否を行った疑いがあるとして刑事告発する旨を区議会が決議しました。それを不信任議決と判断したとのことです。

 

地方自治法の制度

 地方自治法第178条では、議会が長の不信任の議決をしたときは、長は議会を解散することができ、解散しない場合は失職することになっています。

 また、同法第177条第3項では、非常災害の対応等にどうしても必要な経費を議会が否決し、それを長が再議に付しても再度否決した場合は、長はそれを不信任の議決とみなすことができることになっています。

 内閣総理大臣と衆議院との関係とは異なり、自治体の長が議会を解散できるのは、議会が不信任の議決をしたときに限定されています。また、不信任議決とみなすことができるのも、災害対応経費等に係る再議での否決に限られていると解釈すべきでしょう。

 不信任議決も災害経費の再議の議決も、3分の2とか4分の3の特別多数を求める等、通常の議決より要件が厳格になっています。刑事告発する旨の議決などは、普通の多数決の議決だったのでしょう。不信任議決とみなすことなど無理だと思います。
 解散は無効で、議会の活動はその後も有効に続いているでしょう。

 

 千代田区長は、無理筋を承知で逆切れしているだけかもしれません。県職員OBの私の感覚からすれば、東京都の区政担当部局が乗り出して収拾させるべき問題だと思うのですが・・・。皇居や霞が関のある千代田区で、まるで田舎の役場のようなドタバタ喜劇です。

地方自治法関連条文(参考)

176条 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。

2 前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。

3 前項の規定による議決のうち条例の制定若しくは改廃又は予算に関するものについては、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。

(第4項以下省略)

177条 普通地方公共団体の議会において次に掲げる経費を削除し又は減額する議決をしたときは、その経費及びこれに伴う収入について、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。

(1) 法令により負担する経費、法律の規定に基づき当該行政庁の職権により命ずる経費その他の普通地方公共団体の義務に属する経費

(2) 非常の災害による応急若しくは復旧の施設のために必要な経費又は感染症予防のために必要な経費

2 前項第1号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる。

3 第1項第2号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。

178条 普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる。

2 議会において当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をした場合において、前項の期間内に議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決があり、議長から当該普通地方公共団体の長に対しその旨の通知があつたときは、普通地方公共団体の長は、同項の期間が経過した日又は議長から通知があつた日においてその職を失う。

3 前2項の規定による不信任の議決については、議員数の3分の2以上の者が出席し、第1項の場合においてはその4分の3以上の者の、前項の場合においてはその過半数の者の同意がなければならない。

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