ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 軽減税率 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:軽減税率

 201910月から消費税率が原則10%に引き上げられましたが、問題噴出で、半月以上たった今も混乱が続いています。混乱はいずれ収まるでしょうが、不公平感は制度が続く限り続くでしょう。

 私は消費税引き上げ自体には反対ではありませんが、制度設計のまずさにあきれています。やはり、生活感覚のない上級国民の皆さんが机上で政策を立案しても、うまくいかないのでしょう。

 

最大の愚策「軽減税率」

 中でも、軽減税率は、不合理、不公平で、最大の愚策です。二つの税率を使い分けなければならなくなり、社会的な負担、非効率も甚だしいようです。

 「イートイン脱税」などという新語も登場しました。持ち帰ると申告して8%の軽減税率の適用を受けながら、実際は店内のイートインコーナーで食べることです。持ち帰ろうと思っていたけど気が変わったということもあるでしょうし、取り締まりようがないでしょう。

 不合理なアンバランスがあるところには、必ずこのような裏技が登場します。そういう行為に走らせるような制度、正直者が馬鹿を見るような制度は、失敗作です。

 軽減税率の不合理さは、初めから分かっていたことです。大手マスコミが批判しなかったのは、新聞を軽減税率の対象にした不公平な対策が功を奏したのでしょう。

 

ポイント還元などの不公平

 イオンの岡田社長が、消費税増税緩和のためのポイント還元制度について、「めちゃくちゃで暴力的」と批判しました。私は知らなかったのですが、日本チェーンストア協会など小売業界の4団体は9月の時点でポイント還元策について「官製の価格引き下げ競争策」として不満を表明した連名の意見書を経済産業省に提出していたようです。コンビニが対象になり、大手スーパーが対象にならないのは、たしかに不公平です。

 小売店の間で不公平なのはもちろん、消費者の間でも不公平です。我が家の近所に数軒ある地元資本のスーパーチェーンも、大手扱いで、対象外のようです。高齢者等では、現金以外は不慣れで使えない人も少なくありません。

 プレミアム付き商品券も、本当に生活困難な人は、そんなものを買う余裕もないようです。

 

 このような批判の声は、以前からありました。強行されてしまったのは、現政権が、人々の批判の声に耳を傾ける姿勢にないからでしょう。

 そのうち、今回の消費税引き上げの混乱が、ハーバードの教材に「意思決定の失敗」事例として取り上げられるかもしれません。

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 明日、参議院選挙の投票日です。年金の問題については野党候補も言及し、マスコミで取り上げられることもありますが、消費税のことはほとんどマスコミに取り上げられません。

 

新聞の問題

もう決着済みの話題ということなのか、安倍政権のマスコミ対策が功を奏しているかのどちらでしょうか?消費税引き上げの対象から新聞を除外したのは、巧みなやり方でした。

他に生活必需品が数多くある中で、食料品に加えて新聞だけが引き上げを免れ、軽減税率の対象になるのは、いかにもアンバランスであり、不自然です。新聞各社、新聞社の系列につながるテレビ各社が、この問題に触りたくないことは理解できます。

新聞は、もはや生活必需品ではありません。我が家は新聞を購読していますが、30代の長女夫婦宅、20代の社会人の長男とも、新聞を購読していません。10月からの引き上げが既に確定していて、議論にもならない感じです。

 

イートインと持ち帰り

 先日、マクドナルドに行きました。今は店内で食べても持ち帰っても同じ代金です。それが、制度改正後は代金が異なるようになるため、マクドナルドの対応に注目が集まっています。 

このままでは、持ち帰りは8%の軽減税率、店内で食べると10%の普通の税率という、訳の分からない話になってしまいます。

 持ち帰りは、店内で食べるのと比べ、余計な包装をするのでごみが増えます。地球環境にも悪いことを推奨するということです。他のファストフードチェーン、吉野家、すき家などは、店内で食べる客の割合が多そうですから、マックより悩みが深いかもしれません。

 

運用を誤ると立法目的が台無しになる

 食料品を軽減税率の対象にしたのは、主に低所得者への配慮でしょう。そこから外食を除外したのは、外食は生活に必須の行為ではなく、やや贅沢な行為だからだと理解しています。そうであれば、軽減税率の対象にするか否かは、それが生きる上で必須のものか、やや贅沢なものかという基準で線引きをしなくてはなりません。

 そうせずに、軽減税率の対象にしない「食事の提供」(外食)を、「飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供」と定義し、飲食設備のある場所で食べさせるかどうかを線引きの基準にしてしまったため、様々な矛盾が生じてしまいました。

 屋台でラーメンを食べるのは軽減税率の対象外で、より贅沢な行為と思われる出前や宅配は軽減税率の対象なのです。

 贅沢品かどうかで線引きをすることが困難なのであれば、そんな軽減税率の制度は止めて、低所得者への配慮は給付金等で行えばいいのです。

 

 この期に及んで消費税引き上げを保留し、軽減税率の制度を見直すことは、大きな混乱を招くでしょうが、将来にわたるコストや地球環境への悪影響を考慮すれば、勇気をもって中止すべきです。

 私は、消費税率の引き上げ自体には反対ではないのですが、こんな馬鹿な制度が中止になることに最後まで淡い期待を抱いています。

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 消費税引き上げが予定されている201910月まで1年を切り、企業などでの準備も進められている中で、問題点も顕在化しています。特に、軽減税率についての不合理さについて、頻繁に報道されています。

 私は、消費税引き上げ自体の必要性は認めていますが、軽減税率を設定すること、さらにこれについて予定されている制度運用は、不合理であり、目的を見失ったものだと思います。

 

軽減税率制度

 この制度は、消費税が10%に引き上げられる際、一部の品目だけ8%に据え置かれるものです。新聞(定期購読分)飲食料品(酒、外食を除く。)が対象になっています。

 軽減剤率を設ける目的は、生活必需品について低い税率を維持し、比較的所得に低い人たちの生活を守ることでしょう。

 新聞は、生活必需品と言えるでしょうか?我が家は新聞を購読していますが、独立して子育て中の娘夫婦も、独身貴族の息子も購読していません。新聞を対象にしているのは、マスコミ対策であることが露骨で、品がない気がしますが、それはここでは置いておきましょう。その対策が功を奏して、今のところ大手マスコミは比較的静かなようですから。

 私が特に不合理だと感じているのは、外食が軽減剤率の対象から除外されながら、宅配や持ち帰りが軽減の対象になることです。

 

制度の目的から外れてしまった

食料品が軽減の対象になるのは、生きていく上で不可欠の物なので、特に所得の低い層の負担を緩和するということなのでしょう。そうであれば、その物が生活必需品であるかそうでないかで判断すべきでしょう。

一般に、外食は、生活に必須の行為ではなく、やや贅沢な消費だから、軽減税率の対象にしないということだと思います。しかし、そこに、宅配、持ち帰り、出来合いの総菜の販売など、微妙な部分が多いため、「事業者の設備がある場所で食べるかどうか」などという線を引いてしまったのでしょう。

しかし、その線引きを作る段階では、既に生活必需品への配慮という視点は欠けてしまっていたようです。出前を頼むより食堂で食べる方が贅沢だなどとは考えられませんから・・・。

線引きが難しいなら、すべて軽減税率の対象とするか、すべて外すか、どちらかにすべきでしょう。あるいは、低所得者対策のようなことを軽減税率でやろうとしたことが間違いなのだと思います。低所得者に対する一定の給付の方が、よほど社会的なコストが低く、納得性もあるでしょう。
 なぜ宅配や持ち帰りを軽減税率の対象にするのかという疑問について、制度目的を踏まえた納得性のある回答ができないのなら、そんな制度は失敗作です。

 

制度目的自体は妥当なものでも、細部を設計する段階で馬鹿げた制度になってしまう事例は、しばしば見られます。これもその典型のようです。

どんな制度でも、対象にするものとしないものの切り分けが必要です。微妙な場面の線引きをする際に、そもそもの制度趣旨、目的と関係のない線引きの基準を設けると、今回のような馬鹿げた制度になってしまいます。

地方自治体の職員としては、地域ではこのような愚を犯さないよう、気を付けようと思います。

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