ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 退職手当条例 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:退職手当条例

   サイト案内(目次)

 今、多くの自治体では、当局と職員団体の間で退職手当条例の改正の議論が交わされています。当局側が、国家公務員に合わせて退職手当を引き下げる提案をし、それに対して職員団体が抵抗している構図です。

 今回の引き下げ幅は、平均で78万円ほどと、2012年に行われた改定と比べて小幅なこともあり、ほとんどニュースにもならないようです。

 

現在の争点 施行日をいつにするか?

 国家公務員退職手当法の改正が、すでに128日に国会で成立していることから、職員団体側も改正内容(到達点)については、あきらめているように見えます。しかし、国が求めている11日施行については、かなり抵抗があるようです。

 国会で成立してから、地方自治体の議会で1月1日施行に間に合わせるように議決しようとすれば、労使交渉も議会での審議もほとんど時間がなく、形だけのものにせざるを得ないでしょう。

 

 ネットで探すと、高知県当局が、既に労使交渉を打ち切って、2月1日施行の条例改正を12月議会に提案するという1215日付けの情報がありました。あまりニュースにもならないようで、それ以外は、見つけられません。

 噂によると、それ以外の県でも年度内の施行を決めたところもあるそうです。
 職員団体の力が、昔と比べて弱体化したのでしょう。

 

 私の古巣の県庁では、3月1日施行で職員団体に提案し、交渉中のようです。

 

年度途中の施行の問題点

1 夏ころから現行の退職手当額を前提に勧奨退職などの手続を進めてきたところが、今になって退職手当額を変更することになり、職員の信頼を裏切る結果になる。

2 駆け込み退職が生じた場合、行政が混乱する。

3 定年退職者の間で不公平が生ずるおそれがある。

多くの自治体の条例では、「○年以上勤続した者で、通勤による傷病により退職し、死亡により退職し、又は定年に達した日以後その者の非違によることなく退職した者に対する退職手当の基本額については、定年退職と同様に扱う。」というような規定があります。つまり、3月1日施行にした場合、駆け込み退職者が既に60歳に達していれば、定年退職と同様の支給率にできますが、誕生日が3月2日以降の人は、駆け込み退職をすると、全くの自己都合扱いになってしまいます。これでは、むしろマイナスになるので、駆け込み退職できないでしょう。

 

 いろいろ考えると、やはり年度途中の施行は適当ではないと思います。

 

   サイト案内(目次)へ

 平成20年に行われた国家公務員退職手当法の改正までは、公務員が懲戒免職処分を受けると、退職手当も自動的に不支給でした。この改正で、「全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができる」こととされ、「退職手当支給制限処分」という新たな手続が加わりました。

 地方公務員についても、各団体の退職手当条例で、同様の改正が行われました。

 

国家公務員退職手当法

(懲戒免職等処分を受けた場合等の退職手当の支給制限)

第12条 退職をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者(当該退職をした者が死亡したときは、当該退職に係る一般の退職手当等の額の支払を受ける権利を承継した者)に対し、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者が行つた非違の内容及び程度、当該非違が公務に対する国民の信頼に及ぼす影響その他の政令で定める事情を勘案して、当該一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分を行うことができる

 (1)  懲戒免職等処分を受けて退職をした者

 (2) 国家公務員法第76条の規定による失職(同法第38条第1号に該当する場合を除く。)又はこれに準ずる退職をした者

 退職手当管理機関は、前項の規定による処分を行うときは、その理由を付記した書面により、その旨を当該処分を受けるべき者に通知しなければならない。

3 ()

 

制度改正の理由

 制度改正前は、懲戒免職処分と退職手当全額不支給は不可分でした。そのため、退職手当が欲しい職員は懲戒免職処分取消請求を行う必要がありました。そうした中で、退職手当まですべて失わせることが気の毒なようなケースについて、免職処分が取り消されるケースもありました。

 退職手当は、これまでの勤務に対する対価という側面もあり、一度の不祥事による免職と切り離した方が、合理的です。

 

制度の運用

 この制度の運用としては、原則としては全額不支給とされ、一部不支給とするのは、「停職処分にとどめる余地があるところ、あえて厳しく免職処分とされた場合」等に限るとされています。実際にも、一部不支給処分は、極めてまれです。

 教員などでは、普通なら免職にまではする必要のない不祥事でも、「教壇に立たせるわけにはいかない」という判断から、免職とされることがあり得ます。一般職では、そのようなケースはまれであり、今後も、懲戒免職処分=退職手当ゼロが普通の状態が続くと思います。

 にほんブログ村 政治ブログ 地方自治へ
にほんブログ村 


↑このページのトップヘ