ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 違法 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:違法

 あまり大きくは報じられませんでしたが、国が宗教法人法に基づく質問権を行使したことについて、旧統一教会側が「要件を欠き、違法」とする意見書を文部科学省に提出していたとのことです。

 宗教法人法では、質問権は、解散命令の事由となる「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などに該当する疑いがある場合に行使できるとされています。文化庁は、教団の不法行為責任などを認めた民事判決が計22件あることを理由に権限行使に踏み切りましたが、教団は意見書で、質問権行使の要件について「法令違反は主に刑法を指しており、民法の不法行為は含まれない」とし、行使は違法と主張しているとのことです。

 

教団側の言い分にも一理

 報道が、意見書の内容を正確に伝えているかどうかは不明ですが、民法の不法行為は、「故意又は過失によって他人に損害を加える」という非常に広い概念なので、「民法の不幸行為は含まれない」ということはあり得ません。刑法などで違法となる行為は、民法上の不法行為にも該当します。このことは、以前にも指摘したことがあります。

 「ちょっと恥ずかしい「不法行為」議論」  参照願います。

 

 教団側が意図しているのは、「刑法等に違反しない民法上の不法行為」のことでしょう。そうであれば、法解釈については教団側の言い分に私は同意します。そもそも、岸田答弁でひっくり返す前の政府の公式見解もそうだったはずです。

 「法令に違反し」とは、刑法等に違反することを指すと考えるのが、普通の解釈だと思います。

 

ただし立件されている必要はない

 ただし、刑法等の犯罪構成要件に該当していれば、立件されたり有罪となったりしていることまでは求めていないでしょう。教団の民法上の不法行為が裁判で認定されている行為が、詐欺罪や強要罪などに該当するような行為であれば、それが刑事事件になっていなくても、質問権の根拠にしていいと思います。

 

 緻密に検討せず、国会での生煮えの議論だけで長年の解釈を変更するから、上げ足を取られるようなことになるのです。注意が必要です。

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 一部の自治体では、財務規則で、「立替払費用償還」という制度を設けています。

 しかし、この制度は、違法といわれているため、多くの自治体では設けていません。総務省の研究会では、この制度化の必要性に言及していますが、実現の見通しは、不透明です。

 

制度を設けている自治体の規則例

(立替払費用償還請求書の提出)

第○条 収支命令職員は、緊急かつ予期しない場合において、即時対価を支払わなければ物品の購入、通信運搬、借上げ、人夫の雇用等諸役務の調達が著しく困難な経費を立て替えて支払をした職員に対し支出しようとするときは、当該職員に立替払費用償還請求書を提出させなければならない。

 

違法とされている理由

 自治法第232条の5第1項で、自治体の支出は債権者のためでなければしてはならないことになっており、また、同条第2項で、そのやり方も限定しています。限定列挙されている中には、職員が債権者に対して立替払いしてそれを後日自治体が償還するというやり方は、ありません。

 したがって、自治体は本来、規則でそのような手続を定めてはならないことになります。

 

〈参照条文〉

地方自治法

232条の5 普通地方公共団体の支出は、債権者のためでなければ、これをすることができない。

 普通地方公共団体の支出は、政令の定めるところにより、資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法によつてこれをすることができる。

 

この制度の必要性

 規則で制度を設けている自治体も、違法といわれることは承知の上で、制度化しているのでしょう。私も、必要な制度であると思います。

 この制度を否定する人は、「あらかじめ資金前渡を受けておけば、立替払などをしなくて済むはずだ。」と言います。多くの場合、その通りなのですが、うっかり失念して事前手続をしないまま立て替えざるを得なかったとき、それを職員に負担させるようなことは不公正です。制度は、ミスがあった場合もカバーできるようにしておくべきであり、このような制度は絶対に必要です。

 

 正々堂々と立替払費用償還をする仕組がないと、裏金を作っておきたくなったり、妙な裏技を生み出したりするようになるものです。

 したがって、私は、これは現行自治制度の瑕疵であると考えており、制度化している自治体を批判しません。

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 長期継続契約、一般的な契約のいずれも、入札などの契約準備は前年度中に行い、契約だけ
41日付けにする自治体は、非常にたくさんあります。しかし、法的には全く無意味であり、弊害だけあってメリットのない手法です。

そもそも、なぜ41日付けの契約にしたいのでしょうか?

 

会計年度独立の原則、予算単年度主義の主な根拠条文(地方自治法)

 

(会計年度及びその独立の原則)

第二百八条  普通地方公共団体の会計年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

 各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもつて、これに充てなければならない。

 

(予算の調製及び議決)

第二百十一条  普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。この場合において、普通地方公共団体の長は、遅くとも年度開始前、都道府県及び第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市にあつては三十日、その他の市及び町村にあつては二十日までに当該予算を議会に提出するようにしなければならない。

 

(支出負担行為)

第二百三十二条の三  普通地方公共団体の支出の原因となるべき契約その他の行為(これを支出負担行為という。)は、法令又は予算の定めるところに従い、これをしなければならない。

 

 第208条第1項、第2項は、会計年度独立の原則を端的に定めており、書かれているとおりです。

 第211条は、「毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決」と定めています。これが、「予算は原則として会計年度ごとに作成し、翌年度以降の予算を拘束してはならない。」という、いわゆる「予算単年度主義」の根拠になっています。

 第232条の3は、支出負担行為は法令又は予算の定めるところに従うことを定めています。ある年度の予算の効力は、41日から翌年331日までなので、その年度分の支出負担行為(契約等)は、41日以降しかできないのが原則です。

 

どこからが「支出負担行為」か?

 問題は、契約などの一連の手続のうち、どこからが「支出負担行為」であり、41日以降じゃないとできないかという点です。

 自治体の契約の一般的な手順

  ① 担当者が、契約準備のため、価格、提供できる業者、品質・性能等を調査(参考見積の徴取も含む。)

  ② 支出負担行為決議、契約執行決議等の起案、決裁(予定価格、相手方候補者、契約方法、仕様等の決定)

  ③ 入札の公告、入札通知(指名通知)、見積合わせの場合は見積書提出依頼

  ④ 入札、見積もり合わせの執行(開札)契約相手方や金額の決定

  ⑤ 契約書の作成、締結

 

 このうち、①までなら、自治体は何も拘束されておらず、「支出負担行為」に含める必要はなさそうです。

 ②で、予定価格を組織内とはいえ決定したり、③で対外的に「契約の申し込みの誘引」をしたりすることは、対象年度の予算を拘束しているといわざるを得ず、支出負担行為の一部と言わざるを得ない思います。この考え方は、総務省も同様と考えられ、これを否定する有力な学説等は見たことがありません。

 まして、④で入札執行、見積もり合わせまでやってしまえば、完全に支出負担行為です。

 

当初予算議決後の入札等

 県や市町村の当初予算は、一般に前年度の3月中下旬(24日ころが多い。)に議決されます。入札の執行等をその直後に実施する取扱いにしている自治体もたくさんあります。

 しかし、年度開始前であれば、予算議決後でも前でも、法律的な位置づけは変わりません。一般の契約ならば違法でしょうし、長期継続契約なら契約締結までやっても適法です。

 

41日付け契約は無意味

 結局、予定価格の設定、入札公告や見積書の提出依頼、まして入札や見積り合わせを3月中にやって、契約締結だけ41日にするのは、法律的には全く意味がなく、同罪か、せいぜい五十歩百歩です。

 長期継続契約ならば、3月中に契約締結までやっても、適法です。

 長期継続契約に該当させられる契約は、長期継続契約として扱い、3月中に契約するのが、最も合法的、合理的なやり方です。

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