あまり大きくは報じられませんでしたが、国が宗教法人法に基づく質問権を行使したことについて、旧統一教会側が「要件を欠き、違法」とする意見書を文部科学省に提出していたとのことです。
宗教法人法では、質問権は、解散命令の事由となる「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などに該当する疑いがある場合に行使できるとされています。文化庁は、教団の不法行為責任などを認めた民事判決が計22件あることを理由に権限行使に踏み切りましたが、教団は意見書で、質問権行使の要件について「法令違反は主に刑法を指しており、民法の不法行為は含まれない」とし、行使は違法と主張しているとのことです。
教団側の言い分にも一理
報道が、意見書の内容を正確に伝えているかどうかは不明ですが、民法の不法行為は、「故意又は過失によって他人に損害を加える」という非常に広い概念なので、「民法の不幸行為は含まれない」ということはあり得ません。刑法などで違法となる行為は、民法上の不法行為にも該当します。このことは、以前にも指摘したことがあります。
「ちょっと恥ずかしい「不法行為」議論」 参照願います。
教団側が意図しているのは、「刑法等に違反しない民法上の不法行為」のことでしょう。そうであれば、法解釈については教団側の言い分に私は同意します。そもそも、岸田答弁でひっくり返す前の政府の公式見解もそうだったはずです。
「法令に違反し」とは、刑法等に違反することを指すと考えるのが、普通の解釈だと思います。
ただし立件されている必要はない
ただし、刑法等の犯罪構成要件に該当していれば、立件されたり有罪となったりしていることまでは求めていないでしょう。教団の民法上の不法行為が裁判で認定されている行為が、詐欺罪や強要罪などに該当するような行為であれば、それが刑事事件になっていなくても、質問権の根拠にしていいと思います。
緻密に検討せず、国会での生煮えの議論だけで長年の解釈を変更するから、上げ足を取られるようなことになるのです。注意が必要です。
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