パート労働者の年収が一定額に達すると社会保険料の負担が生じて手取りが減る等のため、特に年末に主婦が就労調整をして企業が労働力不足に陥る「年収の壁」といわれる問題があります。6月30日、そのことを巡る政府の対策パッケージの原案が一部で報じられました。
その内容は、年末の繁忙期を念頭に年収130万円を超えても一時的な収入増であれば保険料負担のない扶養にとどまる場合があると明示することが一つ、もう一つは年収106万円を超えて社会保険料が発生しても手取りが減らないよう労働時間を延ばした企業には1人当たり最大50万円を助成することのようです。3年程度の時限措置で、財源は雇用保険料を予定しています。
政府は、この対策がその場しのぎのものであることを自覚しており、今後、壁を意識せず希望の時間だけ働ける抜本改革にも着手することになっているようです。
「扶養」は不公平な制度
社会保険の「扶養」制度は、不公平で容認できない制度です。子供や高齢者、障がい者を扶養しているなら、社会全体または被保険者全体で負担することも理解できますが、生産年齢の主婦や主夫が負担すべき保険料を他の被保険者に負担させるのは、理解できません。
「扶養」などという制度は国民健康保険や後期高齢者医療保険にはなく、協会けんぽなどの被用者保険に特有の制度です。国保などでやっていることを被用者保険でやれないはずはありません。
「年収の壁」問題は、社会保険の「扶養」の原則廃止や、所得税・住民税の配偶者控除の廃止で解決すべき問題です。
低賃金になってしまった日本では一人分の収入では子育てに不安がある若者が多いでしょう。でも2人分なら不安はかなり減るでしょう。北欧諸国のような、共働きが当たり前の社会、共働きでも育児に困らない社会を早急に実現することが、少子化、労働力不足による日本の衰退を食い止めるための第一歩だと思います。
場当たり的な施策でつなぐだけでなく、抜本的な対策が急がれます。
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