ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 電子帳簿保存法 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:電子帳簿保存法

 元々は2022年1月から本格施行されるはずだった電子帳簿保存法が、企業の対応が遅れていることから、まず2年間の猶予が行われ、続いて骨抜きになりそうです。

 安堵している企業が多い一方、真面目に準備していた企業からは「あの苦労は何だったんだ!」という憤りの声もあるようです。たしかに、国(与党)の対応は、「狼少年」です。対応しなければ青色申告から外すなどと、脅かすだけ脅かしておいて、土壇場で肩透かしが2度も続いているわけですから・・・。

 

電子保存の義務化

 取引の際、請求書などをメール等の電子データで授受した場合、電子商取引という位置づけになります。従来はその請求書等はプリントアウトして紙で保存することが原則でしたが、2021年の税制改正で電子データで保存しなければならないことになり、その制度が2022年1月に施行されるはずでした。準備期間はわずか1年でした。

 単に電子データで保存すればいいだけなら簡単ですが、改ざんを防ぐためのタイムスタンプや、相手方名、取引年月日などで検索できる方式での保存が義務付けられており、その部分で各企業が苦労していました。現在の経理システムがそれに対応していない企業がほとんどで、システム変更には大変な費用や手間がかかります。

 

まず2年の猶予

 2022年1月の施行開始が間近に迫る2021年12月6日の日経新聞1面の隅に「電子保存義務化2年猶予」という見出しが躍り、2年間は紙での保存も容認するというものでした。その容認の判断は税務署長がすることになっていますが、企業からは申請する必要もなく、何も手続することなく容認されるという、妙な話でした。

 

続いて骨抜き

 2022年11月25日の日経新聞1面の隅に「請求書保存、印刷も容認」「政府・与党 データ管理のルール緩和」という見出しが載りました。請求書のデータを簡易保存すること等を条件に紙での保存も容認するようです。税務当局が「相当の理由がある」と判断すれば特例として認められるのですが、事前の申請も不要とのことで、事実上フリーパスです。妙な話です。

 

そもそもが準備不足、検討不足

 与党にあおられた税務当局が、準備や検討が不十分なまま制度化だけ先行させてしまったのでしょう。

 この制度自体は、単に税務調査がやりやすくなり、税務署が楽になるだけという声も聞かれます。たしかにそう思いますが、これをきっかけにペーパーレス化を進め、経理等の事務作業全体を電子化、効率化することは、生産性向上に資するでしょう。

 こういうことは、もっと緻密に、戦略的に進めていただきたかったと思います。

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 付き合いのある会社から勤務先に、「環境に配慮して年賀状を廃止することにしたが、悪しからず、今後もよろしく。当社への年賀状も無用に」という趣旨の葉書が届きました。思い返せば、昨年も何通か来ていました。SDGsの取組の一環と書いてあるものもありました。

 たしかに、役所や会社の間の年賀状など、まさに「虚礼」で、廃止したほうがいいかもしれません。

 

請求書等の郵送の減少

 押印廃止の動きの中で、請求書に押印を不要とする役所、会社が増えました。印鑑が要らなければ、メールで送った方が早く、確実です。特に、郵便法の改正で土曜日の配達がなくなるなど、郵送に要する日数も増えたから、なおさらです。

 でも、押印されていない請求書を郵便で送ってくる会社もまだたくさんあります。それは、相手にプリントアウトさせるのは申し訳ないという気持ちの他に、「電子取引」にしたくないという意向の場合もあるようです。メールで請求書を送ってしまうと、「電子取引」に該当してしまい、そのメール等を電子帳簿保存法の要件に従って保存しなければなりません。その体制が整っていない会社では、安易にメールに移行できない事情もあるようです。

 しかし、企業でも請求書や振込依頼書等をプリントアウトせずに電子データのまま処理していて、紙の請求書などはわざわざスキャンしなければならないので迷惑だというところも増えています。

 郵便物の減少の流れは、止まらないでしょう。やむを得ないことかもしれませんが、郵便の利便性があまり損なわれないよう願っています。

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 電子的に授受した取引データについて、紙の書類ではなく電子データとして保存することを義務化した電子帳簿保存法の改正が20221月から施行されるはずでした。それが施行まで1月を切ったころから怪しい雲行きになり、どうやら2年間猶予されることになったようです。あまりのドタバタ、場当たり的な対応にあきれています。地方自治体も巻き込まれています。

 

真面目に準備を急いだ企業は馬鹿を見た!

メールやその添付書類として授受した請求書、見積書、領収書等は、これまではプリントアウトした紙で保存しておけばOKでした。それが、電子データとして保存しなければならなくなるはずでした。それだけなら簡単なのですが、削除、修正ができない形、検索できる形で保存することになっていて、各企業がそこに頭を悩ませていました。この義務に違反すると青色申告が取り消されるなどという文書での脅しまであったので、企業としても大問題でした。

対応に困った企業の中には、メールなどでの電子データで取引情報をやり取りすることを禁止するという電子化に逆行する対応をとったところまであるようです。真面目に準備をした企業では、何とか間に合わせて胸を撫で下していました。それが直前になった突然の延期!「ふざけるな!」と怒鳴りたい企業の担当者もおられるでしょう。

 

まだ正式には明らかにされていない

126日の日経新聞で、「2年間猶予されることになりそうだ」という政府与党の動きとして報じられました。恐らく、当局のリークによる観測気球でしょう。

1210日、政府与党の令和4年度税制改革大綱の中で2年間の猶予が盛り込まれ、これで猶予が確定しました。しかし、国税庁のホームページの電子帳簿保存法関係のページには、1218日時点でまだ延期とか猶予のお知らせはありません。猶予に関する政省令が間に合っていないのでしょう。

猶予を認める要件も、「やむを得ない事情があると税務署長が認める場合」とかになるらしいのですが、特段の手続は要しないようです。わけが分かりません。

 

 地方自治の仕事を40年間経験しましたが、地方でもこんなバタバタはあまり見聞きしたことがありません。国の行政の劣化?

 こんなことを繰り返していると、国は「オオカミ少年」と言われてしまいます。

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 2020年あたりから、税務を始めとして企業の仕事の仕方に変革を迫ることが相次いでいて、特に中小企業では対応に困り果てているようです。

「大法人」については令和2年4月1日以後に開始する事業年度の法人税、法人住民税、法人事業税などの申告を、電子申告により提出しなければならないこととされました。「大法人」とは、事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人などです。資本金1億超というと大きそうですが、有名な上場企業ばかりでなく、従業員20人程度の会社もかなり含まれます。これは、平成30年度税制改正による制度改正ですが、実際に苦しんだ企業が多いのは令和2年事業年度の決算を終えた令和3年6月以降です。また、国税庁の法人税等の電子申告システムは、使い勝手があまりよくないと言われています。

 

 今、各企業が準備に追われているのは、消費税法の改正によるインボイス制度と、電子帳簿保存法の改正への対応です。

 インボイス制度はまだ準備期間があるのですが、電子帳簿保存法の方は令和4年1月から施行されるものの、各企業には十分に情報が伝わっておらず、混乱している状況です。

 請求書や発注書、領収書などをネットを使って送信すると「電子取引」になり、従来は紙にプリントアウトして保存することが基本だったものを、今後は電子データで保存しなければなりません。保存の仕方も、税務当局が検査に来たときに取引先名や取引年月日、金額などで検索できる形で、しかも後からデータの改ざんなどができない形で行わなければなりません。

 そんなシステムもまだ普及していない中で、頭を抱えている企業が多いようです。

 

電子政府化を急ぐのは分かるが・・・

 押印省略を国が推進していることも拍車をかけています。押印が必要だったためにこれまでは持参又は郵送していた請求書等をメールで送信するケースが増え、それらが「電子取引」になってしまいました。

 非効率な形で行ってきた行政の効率化を急ぎたい気持ちは理解できるのですが、急すぎます。このような改革は、20年ほど前から計画的に進めておくべきでした。各企業はあわてて税理士やコンサルタントに依頼することになり、かなりの出費になるかもしれません。

 

 これまでのんびりしすぎていたため、日本の事務部門の生産性は各国と比較して遅れてしまっていることは確かです。日本の国際競争力を回復させるにはやむを得ない道なのかもしれませんが、こうなってしまった責任の第一は、失われた30年の間のほとんどの期間に政権を担っていた某政党にあるでしょう。

 アベノミクスなど、カンフルにしかならないことを10年もだらだらと続けただけの愚策だったようです。

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