ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 高齢者接種 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしています。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:高齢者接種

 高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、医療体制の充実している市町村が必ずしも早く進んでいるわけではないことが分かってきました。

 私の県でも、私の住む県庁所在市は県内では病院や医師の数も多く、圧倒的に医療体制が充実しているのですが、ワクチン接種は県内市町村で最も遅れているようです。持病があってかかりつけ医を持っている人の個別接種ですら、520日時点で、まだ始まっていません。受付だけは始まっていますが、かかりつけ医を持たない高齢者、かかりつけ医がワクチン接種をしないことになっている高齢者は、受付も始まっておらず、待つしかありません。

 全国的にも、医療体制の充実している都道府県、人口に比して医師の数が多い都道府県が進んでいるわけではないようです。

 

自治体と医療提供者との協力体制

 医療体制が弱い中小自治体のほうが、むしろワクチン接種が進んでいるケースが多いようです。おそらく、日ごろから自治体と医師会、病院などとの協力体制、コミュニケーションが取れているのでしょう。

 私の住む市では、3月の時点で知り合いの病院事務長が、「市からワクチン接種について何の相談も依頼もない。」と不思議がっていました。これでは県内で一番遅れるのも当然です。私の市は、500床を超える大学病院や市民病院に加え、300400床規模の中規模病院がたくさんあるので、個々の病院と市とはあまり密なコミュニケーションはないようです。

 

自治体の力が問われている

 今回、従来のように国が手取り足取りの実施要領を示さず、かなり自治体の裁量に任せたことから、様々な工夫をしている自治体と、そうでない自治体の差が出ています。

 何の工夫もなく早い者勝ちの受付を始めて高齢者を苦しめる自治体、工夫して円滑に受付を進める自治体・・・。

 キャンセルなどで余ったワクチンの活用についても、様々な工夫が見られます。

 保育所などのや福祉施設職員、学校の教員、ワクチン接種に従事している自治体職員などへの接種を予定している市町村が多いようですが、一般のキャンセル待ち枠を設けたり、65歳以上のタクシー運転手をリスト化したりしている市まであるようです。

 

 地方自治が進むと、今後、自治体の能力差が住民の目に見えてしまう場面が増えてくるでしょう。自治体職員は、日頃の研鑽がますます大事になってきました。

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 総務省、厚生労働省は5月12日に連名で、65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種について、全国市区町村の約86%に当たる1490自治体が、政府が目標とする7月末までに終える見込みだと発表しました。

私が予想していたより早く進みそうなことに喜んでいたのですが、16日ころの各マスコミの報道によると、菅政権に「7月末完了」を振りかざされ、やむなく応じた市町村が少なくないようです。「医療従事者が確保できれば」とか、「国の支援があれば」とかの条件付きで7月末完了見込みと回答した自治体もかなりあり、とても額面通りには受け取れません。結局、医師の確保などを前提条件とした「決意表明」に過ぎないようです。

 

総務省などが地方に圧力

4月下旬ころから、7月末までに完了できないという見込みの市町村に対し、総務省の課長(交付税課長から電話があったと明かす首長もいます。)、局長、さらには恐らく総務省に尻を叩かれた都道府県幹部、国会議員などから市町村長あてに名指しで電話がかかってきて、計画の前倒しを求められていたようです。その結果が86%という数字なら、あまりあてにできません。

総務省などが相談に乗ってくれても、医療従事者の確保などについては総務省は何の力もありません。総務省は、結局は都道府県に対応を投げることになります。

 

遅れの責任を地方に押し付ける気か?

 ワクチン接種を急ぐことは、この非常時に当然であり、理解できます。だから、早期接種の督励なら理解できないこともないのですが、国のこのやり方は、「うるさいから取りあえず7月末完了見込みということにしておこう」という自治体の対応を生み出しているようです。想定接種率を引き下げて「計画達成」を見込んだ市町村まであるようです。はあ~、馬鹿馬鹿しい!

 

 こんなことをしておいて、7月末までに完了できなかった場合の責任を自治体に押し付けるつもりではないかと危惧しています。

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 高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種の受付が、ほとんどの市町村で始まっています。先行自治体での失敗事例が報道されているにもかかわらず、何の工夫もせずに受付を開始し、同じ失敗をする市町村がかなりあるようです。

 「新型コロナワクチンの高齢者接種 八王子市の失敗」 参照

 

 先日もテレビで、何度電話しても繋がらずに半ばあきらめている横浜市の高齢者の姿が流れていました。ネットで予約しようとしても、すぐに埋まってしまうようです。私の住む県内の市でも同じような問題が起きています。

 対象人口がごく少ない市町村以外は、何の工夫もせずに早い者勝ちで受付を開始すれば、混乱することは当たり前です。こうなることが分かっていながら、なぜ何も工夫せずに早い者勝ちの受付を始めるのでしょうか?このような市の幹部らは、これを「失敗」とは考えておらず、「やむを得ないこと」と考えているのでしょう。しかし、避けられる苦労、苦痛を避けずに市民に味わわせるのは、明らかに「失敗」です。

 「ただいま電話が大変込み合っています。しばらくしてからおかけ直しください。」などというアナウンスが入り、これを何度も繰り返したのち、「受付は終了しました。」などと言われてがっかりする高齢者が気の毒です。彼らの気持ちを察する想像力が、市の幹部には欠けているのでしょうか?75歳以上とそれ以外、基礎疾患の有無で区分する程度は、工夫のうちに入りません。

 

 年齢層を5歳刻み等に細分して、受付開始日を分けるだけでも高齢者の負担はずっと減るでしょう。現に、そのようにして比較的円滑に受付を進めている市町村も多いようです。

 

 高齢者を細分化して受付開始日をずらせた場合、受付開始を後回しにされた高齢者から文句が来るかもしれないから、一斉に早い者勝ちにしてしまうのでしょうか。年齢の高い層から受付を開始しても、文句を言う高齢者など多くはないと思うのですが・・・。

 

 持病があってかかりつけの医療機関があってもその医療機関がワクチン接種に対応していなかったり、かかりつけ医がなかったり、手助けしてくれる親族が近くにいなかったりする高齢者が、特に苦労しているようです。

 

 市町村の担当者には、何度も受付を試みて跳ね返される高齢者の気持ちになって、対策を講じていただきたいと思います。

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