高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、医療体制の充実している市町村が必ずしも早く進んでいるわけではないことが分かってきました。
私の県でも、私の住む県庁所在市は県内では病院や医師の数も多く、圧倒的に医療体制が充実しているのですが、ワクチン接種は県内市町村で最も遅れているようです。持病があってかかりつけ医を持っている人の個別接種ですら、5月20日時点で、まだ始まっていません。受付だけは始まっていますが、かかりつけ医を持たない高齢者、かかりつけ医がワクチン接種をしないことになっている高齢者は、受付も始まっておらず、待つしかありません。
全国的にも、医療体制の充実している都道府県、人口に比して医師の数が多い都道府県が進んでいるわけではないようです。
自治体と医療提供者との協力体制
医療体制が弱い中小自治体のほうが、むしろワクチン接種が進んでいるケースが多いようです。おそらく、日ごろから自治体と医師会、病院などとの協力体制、コミュニケーションが取れているのでしょう。
私の住む市では、3月の時点で知り合いの病院事務長が、「市からワクチン接種について何の相談も依頼もない。」と不思議がっていました。これでは県内で一番遅れるのも当然です。私の市は、500床を超える大学病院や市民病院に加え、300~400床規模の中規模病院がたくさんあるので、個々の病院と市とはあまり密なコミュニケーションはないようです。
自治体の力が問われている
今回、従来のように国が手取り足取りの実施要領を示さず、かなり自治体の裁量に任せたことから、様々な工夫をしている自治体と、そうでない自治体の差が出ています。
何の工夫もなく早い者勝ちの受付を始めて高齢者を苦しめる自治体、工夫して円滑に受付を進める自治体・・・。
キャンセルなどで余ったワクチンの活用についても、様々な工夫が見られます。
保育所などのや福祉施設職員、学校の教員、ワクチン接種に従事している自治体職員などへの接種を予定している市町村が多いようですが、一般のキャンセル待ち枠を設けたり、65歳以上のタクシー運転手をリスト化したりしている市まであるようです。
地方自治が進むと、今後、自治体の能力差が住民の目に見えてしまう場面が増えてくるでしょう。自治体職員は、日頃の研鑽がますます大事になってきました。
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