鹿児島県警では現職の警察官や元幹部が逮捕される不祥事が、今年に入って4件相次いでいました。そのうち、元生活安全部長が内部文書をライターに郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとして、守秘義務違反の罪で逮捕・起訴された事件については、元部長が「野川明輝本部長が警察官による盗撮事件を隠蔽しようとした」と主張しています。一連の経緯から、私は内部通報として保護されるべきだと思います。

県警本部長に問題があることは明白

 元部長の指摘に対し、県警本部長は6月21日に開いた記者会見で、隠蔽の指示を改めて否定しました。しかし、本部長の指示の結果として、盗撮事件の捜査がストップしていたことが明らかになっています。このことについて、県警では、警察署に誤って伝わったとか警察署長が誤解した等と説明していますが、本当にそうなのかどうか?

 鹿児島県警では捜査書類の速やかな廃棄を促す内部文書を202310月に作成していたことも明らかになっています。再審や国賠(国家賠償)請求等において、廃棄せず保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありませんと記載されているとのこと・・・。真実を明らかにするより組織防衛を重視するとんでもない文書です。

 他にも、警察官や警察関係者の犯罪を隠蔽しようとした疑いを何件か指摘されており、本当は本部長が隠ぺいを指示したのではないかという疑いを拭いきれません。

警察庁もおかしい

 警察庁は6月24日に首席監察官ら3人を県警に派遣して、特別監察を開始しました。県警本部長らの聴取等、あらためて事実確認をするそうです。遅きに失しましたが、当然でしょう。

 不可解なのは、これに先立ち、警察庁が、本部長がきめ細かな確認や指示をせず捜査の基本に欠けていたなどとして、長官名で訓戒にしたことです。特別監察をするなら、その結果を見てから処分を決めるべきでしょう。一事不再理の原則は、明文では刑事事件について規定されているだけですが、性質上、就業上の懲戒処分などにも適用されるという考えが有力なようです。

 特別監察の結果が出ないうちに処分をしてしまったら、もっと厳しい処分が必要なような監察結果が出てきたら困るでしょう。

 既に結果が予定されている「特別監察」ではないかと疑ってしまいます。そもそも野川本部長は、鹿児島県警の生え抜きではなく、警察庁のキャリア警察官僚です。「特別監察」と言っても、身内による内部調査に過ぎません。

 また、鹿児島県警の内部には、本部長のほかにも警察庁から出向している幹部もいるかもしれません。鹿児島県警の動きも、警察庁の意向に沿ったものにならざるを得ないでしょう。
 生活安全部長の事件に関する今後の刑事裁判の中で、隠蔽の指示があったのかどうか、事実が明らかになることに期待してます。

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