ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 130万円の壁 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:130万円の壁

103万円の壁」などない!

 前にも少し書きましたが、自民党との政策協議で国民民主党が拘っている103万円の壁」、理解に苦しみます。給与収入が103万円を超えると、ドンと103万円に税金がかかるわけではなく、超えた額に税率を掛けるだけです。その税率も、基本的には所得税は5%です。住民税が10%かかったとしても合わせて15%です。給与収入が10万円増えたとすると、1万5千円は税金で引かれるでしょうが、8万5千円は手もとに残るのです。生活が苦しい人が、この壁を理由に働き控えをするとすれば、愚かなことです。
 「103万円の壁のひきあげは悩ましいが」  参照願います。

 配偶者(パート主婦の夫など)の税金についても、以前はパート収入が103万円を超えると配偶者控除が受けられなくなり、税金が増えましたが、2018年から配偶者特別控除の制度が改正され、150万円までは同額の控除を配偶者が受けられるようになり、配偶者の所得税も増えなくなりました。それを超えても控除額が段階的に少なくなるだけで、「壁」と呼ぶようなものではありません

 103万円の壁」は幻影に過ぎません。こんなものに拘って制度をいじり、複雑にするのは多くの国民に迷惑で、この恨みは国民民主党と自民党に向かいます。

130万円の壁」「106万円の壁」は大きな問題

 一方、年間収入が130万円(企業規模により106万円)を超えると社会保険の「第三号被保険者」(扶養されている配偶者)になれず、自ら社会保険料を払うことになる、いわゆる「130万円の壁」「106万円の壁」は深刻です。この「壁」を意識して働き控えする人がいることは理解できます。この「壁」は撤廃すべきでしょう。

 しかし、先日厚労省が検討していると報じられた案(週20日以上働く人は収入にかかわらず社会保険加入を義務付ける)では不十分です。あの案では、「130万円の壁」等の代わりに、「週20日の壁」ができ、働き控えをする人が多くなるでしょう。

 「第三号被保険者」の制度自体を撤廃しなければなりません。第三号被保険者の分の社会保険料を配偶者が負担しているのではなく、共働きの人や単身者を含む加入者全体で負担するのは、不公正です。子や老親を扶養しているのなら社会全体で支えることも必要でしょうが、生産年齢の配偶者の分を他人に負担させるのは不公正です。
 夫は外で働き、妻は家庭を守るという伝統的な家族の姿が主流だった時代に始まった制度でしょうが、夫婦共働きが当たり前になった時代に残しておくべきではありません。せっかく労働団体の「連合」も撤廃を求めているのですから、撤廃しない理由などないでしょう。
 伝統的な家族像を守りたい守旧派でもいるのでしょうか?専業主婦のいる家庭は反対するかもしれませんが、今まで不当に恩恵を受けてきただけなのです。

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 自民党と国民民主党の「部分連立」の協議が進められており、国民民主党側が条件としているのは、主にいわゆる103万円の壁の引き上げと報じられています。
 所得税が課税されない年収は、現在103万円までですが、これを178万円に上げろというものです。政府の試算では、壁を75万円引き上げると、国と地方の合計で年7兆6000億円ほどの減収になるとのことで、与党側ではどこまで譲歩できるか、また税収減をどう補うかを検討しているようです。

壁の引き上げは難問が多い
 103万円の壁は、所得税の基礎控除額48万円に、給与所得控除の最低額55万円を加えたものです。給与収入しかない人の場合、この103万円までは源泉徴収もされず、申告義務もありません。
 悩ましいのは、どちらもパート労働者だけを対象に引き上げるわけにはいかないことです。基礎控除を引き上げた場合、高額所得者を含めた全納税者が減税の恩恵を受けます。しかも、所得が高額な人ほど、減税額が大きくなります。だから、基礎控除の引き上げは、かなり困難だと思います。
 もう一つの、給与所得控除の最低額の引き上げの方は、まだ可能性があると思います。控除の最低額を引き上げ、それが適用される給与収入の額を引き上げて調整するだけなら、高額の給与収入のある人には影響を及ぼさずにできるでしょう。しかし、このやり方も、常勤の労働者に対してパート労働者だけを優遇することになる点で、問題があると思います。

そもそも103万円の壁は大した壁ではない
 なぜこの103万円がこれほど問題になるのか、私には疑問です。103万円を超えるとドンと税額が増えるわけではなく、超えた額に対して5%の所得税がかかるだけで、「壁」というより、なだらかなスロープが始まるだけです。配偶者が受ける配偶者控除も、対象から外れても段階的に配偶者特別控除があり、配偶者の所得税も急激には増えません。103万円を超えると負担が急増するという誤解があるのではないかと思います。問題があるとすれば、この基準を社員への配偶者手当の支給基準に準用している場合ですが、そんなな企業は多くはないでしょう。

 扶養手当の支給基準としては社会保険の「扶養」の基準である年収130万円としている企業等が多く、そもそも公務員等でも配偶者に対する扶養手当が廃止され、この動きが広がるでしょう。
 社会保険の130万円の壁の方は大きな問題です。夫婦共働きの家庭が経済的に不利になっています。専業主婦(夫)の社会保険料は配偶者が負担すべきで、共働き夫婦や単身者を含む給与所得者等全体に負担させるのは社会正義に反し、不公正です。せっかく労働団体の連合も、この「扶養」制度の廃止に理解を示しているので、早急に廃止すべきです。

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