ipt async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"> 65歳未満 : 地方自治日記

地方自治日記

地方自治に誠実に取り組んできた県職員OBです。県の市町村課に長く在職したほか、出納局、人事委員会などのいわゆる総務畑が長く、自治制度等を専門分野としてきました。県を退職後も、時々、市町村職員などの研修で、自治制度、公務員制度、文書事務などの講義もしていました。 単に前年どおりに仕事をすることが嫌いで、様々な改革・改善に取り組んできました。各自治体の公務員の皆様には、ぜひ法令を正しく合理的に解釈し、可能な限り効率的、効果的な行政運営をしていただきたいと願っています。

タグ:65歳未満

 在職老齢年金制度は、公務員、会社員などの老後の生活に大きく影響する制度です。老齢厚生年金を受給できるようになった人が、まだ厚生年金対象事業所(国、自治体、会社、団体等)で働いて給与を得ていた場合、その給与に応じて年金が減額されます。
 年間の給与(賞与等を含む。)の12分の1の金額(総報酬月額等)と基本的な厚生年金の月額(基本月額)によって、調整されます。現行制度では、65歳未満ではこの両者の合計が28万円を超えると調整(減額)が始まり、65歳以上では47万円を超えると調整が始まります。

 

二転三転した制度改正案

2019年6月に公表された骨太の方針で、在職老齢年金制度の廃止の方向が出されました。廃止というのは、年金がなくなるということではなく、調整がされなくなる、つまり、どんなに高額の給与を得ていても老齢厚生年金は満額もらえるようになるということです。

厚生労働省では、廃止はやりすぎだと考えたのか、当初、65歳以も以下も62万円とする案で調整していました。しかし、高額所得者を優遇しすぎだという意見や、年金財政への影響を心配する意見が与野党から出され、65歳以上も未満も51万円とする改正案に変更されました。

それでもまだ、高額所得者優遇との意見が多く、1120頃の報道では、現行制度のまま据え置きの見込みが報じられました。しかし、その後の報道によると、現在は、65歳以上は47万円に据え置き、65歳未満はそれと同額に引き上げるという案で最終調整がされているようです。

このまま決着すれば、私が主張していたとおりの決着で、大歓迎です。

「在職老齢年金制度は「適正な」改正が必要」 参照

 

高齢者の働く意欲に好影響

 現行制度では、65歳未満で老齢厚生年金の受給資格者の約55%が減額調整を受けているということです。これが、47万円に引き上げられると、17%に減少し、年金支給額は年約3000億円増えるそうです。しかし、この改正で、時間調整などせずに普通に働いて給与を得る高齢者が増えれば、保険料収入も上がるでしょう。

 内閣府の調査でも、65歳未満では在職老齢年金制度の影響で就労を抑える傾向が認められたとのことです。私の実感からも、当然でしょう。

 

 最終決着まで、もうしばらく目が離せません。

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  1122日(金)のネットニュース、23日の朝刊で、看過できない記事がありました。「在職老齢年金」について、高齢者の就業を促すために減額基準を月収47万円から51万円に見直す政府の案について、与野党から異論が出ているとのことです。「年金財政に悪影響を与える」「高所得者優遇だ」との批判であり、その批判は理解できるのですが、その結果、政府は与党の理解が得られない場合、制度を見直さずに現状を維持するかもしれないとのことです。
 さらに、26日の報道によると、厚労省が与党の説得を諦め、現状維持になりそうだとのことです。それは、とんでもなく乱暴なことです。

 

在職老齢年金制度

在職老齢年金とは、厚生年金を受給できる人(公務員や会社員だった人)がまだ厚生年金の対象事業所(国、自治体も含む。)に勤務して一定以上の報酬を得ていた場合に、受け取る年金額が減額調整される制度です。
 年間の給与(賞与等を含む。)の12分の1の金額(総報酬月額等)と基本的な厚生年金の月額(基本月額)によって、調整されます。現行制度では、65歳未満ではこの両者の合計が28万円を超えると調整(減額)が始まり、65歳以上では47万円を超えると調整が始まります。

今年6月に骨太の方針で、在職老齢年金制度の廃止の方向が出されましたが、その後の検討の結果、65歳以上も未満も、51万円とする改正案になっていました。

 「在職老齢年金の見直しの方向性に反対」 参照

 

65歳未満が問題なのに

 報道では、65歳以上の47万円を51万円に引き上げることばかりが議論されているようです。65歳以上で、年金と合わせて月収47万円もある人は、ごく恵まれた人たちです。このくらい報酬を得ている人は、年金を減額、停止されても、働き続けるでしょう。この人たちをさらに優遇する必要はありません。

問題は、65歳未満の28万円です。例えば、60歳の定年時に40万円ほどの月収だった人が、再就職又は再雇用で月額報酬が20万円ほどになってしまっても、特別支給の老齢厚生年金(10万円~13万円ほどか)を受けられるようになると、年金と合わせた月収が28万円を超えるでしょうから、年金が減額されてしまいます。これでは、低賃金で働き続ける意欲が損なわれてしまいます。

定年後の職場で高給を得られる人はフルタイムで働き続けるでしょうが、給与が20万円程度だったら、年金を減額されないように調整しながら働こうかと思う人もいるでしょう。

 定年直後にいったん仕事を離れてしまえば、よほど切羽詰まらなければ65歳から再び働き始めようなどとは思わないでしょう。

 

 65歳以上の47万円を51万円に引き上げることは、たしかに高所得者の優遇だと思います。しかし、65歳未満の28万円を65歳以上と同額の47万円に引き上げることは、高齢者を労働力市場に繋ぎとめるために、ぜひ必要です。改革が1年遅れれば、60歳台前半で離職する高齢者がその分だけ増えてしまいます。

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