在職老齢年金制度は、公務員、会社員などの老後の生活に大きく影響する制度です。老齢厚生年金を受給できるようになった人が、まだ厚生年金対象事業所(国、自治体、会社、団体等)で働いて給与を得ていた場合、その給与に応じて年金が減額されます。
年間の給与(賞与等を含む。)の12分の1の金額(総報酬月額等)と基本的な厚生年金の月額(基本月額)によって、調整されます。現行制度では、65歳未満ではこの両者の合計が28万円を超えると調整(減額)が始まり、65歳以上では47万円を超えると調整が始まります。
二転三転した制度改正案
2019年6月に公表された骨太の方針で、在職老齢年金制度の廃止の方向が出されました。廃止というのは、年金がなくなるということではなく、調整がされなくなる、つまり、どんなに高額の給与を得ていても老齢厚生年金は満額もらえるようになるということです。
厚生労働省では、廃止はやりすぎだと考えたのか、当初、65歳以も以下も62万円とする案で調整していました。しかし、高額所得者を優遇しすぎだという意見や、年金財政への影響を心配する意見が与野党から出され、65歳以上も未満も51万円とする改正案に変更されました。
それでもまだ、高額所得者優遇との意見が多く、11月20頃の報道では、現行制度のまま据え置きの見込みが報じられました。しかし、その後の報道によると、現在は、65歳以上は47万円に据え置き、65歳未満はそれと同額に引き上げるという案で最終調整がされているようです。
このまま決着すれば、私が主張していたとおりの決着で、大歓迎です。
高齢者の働く意欲に好影響
現行制度では、65歳未満で老齢厚生年金の受給資格者の約55%が減額調整を受けているということです。これが、47万円に引き上げられると、17%に減少し、年金支給額は年約3000億円増えるそうです。しかし、この改正で、時間調整などせずに普通に働いて給与を得る高齢者が増えれば、保険料収入も上がるでしょう。
内閣府の調査でも、65歳未満では在職老齢年金制度の影響で就労を抑える傾向が認められたとのことです。私の実感からも、当然でしょう。
最終決着まで、もうしばらく目が離せません。
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