2016年に県を定年退職し、次に別の地方公共団体で3年間働いて、通算40年間を地方公務員として過ごしました。昨年6月に民間企業を退職する時は既にAI時代に入っていて少しは活用も経験しましたが、公務員としてAI時代を体験できなかったことを少し残念に思っています。若い人たちがどうやってキャリアを形成していくのか、少し心配もしています。
今、多くの自治体では、議会の想定問答や答弁案をAIを使って作成しているようです。私のころは、本会議等の答弁案は、議会担当者が議員各氏から質問要旨を聴き取り、各部局に伝え、部局では主にその事項に関する担当係長が答弁案を作成していました。それを課長、部局長、政策・予算担当部局が審査して、最終的に知事がOKを出す仕組みでした。それぞれの幹部の文章の趣味も違うので、大変時間のかかる作業でした。
それがAIで過去の答弁との整合した答弁案ができれば、だいぶ楽になったでしょう。
一方、そういった答弁案の作成、議事録の作成、外部向けの文書の作成、例規や要綱案の作成等は、職員がスキルを高めていくための訓練でもありました。今の中堅以上の職員の多くは、AIが作成した原案をチェックする能力があるでしょう。しかし、訓練の機会を奪われた若手職員が、そういった能力を身につけられるかどうか、いささか不安も感じます。
今の職員は、AIを活用するスキルを身につけることは必須ですが、煩雑な文書作成作業等が減ったことによって失われるものもありそうな気がします。自分で苦労して作成した経験のないままに、AIが作成したものを審査しなければならなくなるのは、不安でしょう。
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